2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト由来腸内常在菌による制御性T細胞誘導機構の解明
Project/Area Number |
13J04058
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田之上 大 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | commensal bacteria / Treg細胞 / Clostridia |
Research Abstract |
平成25年度科学研究費補助金交付申請書の研究実施計画に挙げた項目の実施状況を記述する。まず、ヒトの腸管にもTreg誘導細菌が存在することを、無菌マウスへのヒトの便を投与することで確認した。次に、Treg誘導細菌を含む細菌分画の絞り込みを行った。その結果、クロロホルム処理耐性分画にTreg誘導能を持つ細菌が含まれることを突き止め、同処理により細菌種を絞り込んだ。次に、絞り込んだ細菌分画から細菌株の単離を試みた。生体の腸管は極めて厳密な嫌気環境であることが知られている。そこで、嫌気培養チャンバーを用いて細菌株の単離を行った。16S解析により単離した菌株の同定を行った。400個以上のコロニーをピックアップし、最終的に23種類の細菌株の単離に成功した。それらは、Cluster IV, XIVaまたはXVIIIに属するClostridiaであった。それらのTreg誘導能を無菌マウスに投与することで確認した。その結果、腸管において強力なTreg細胞を誘導能が認められた。次に、Treg細胞誘導能を示すより少ない菌株の組合せを検討した。その結果、23菌株のうち17菌株の組合せで十分な誘導が確認された。菌株により誘導されたTreg細胞の性質を調べた。その結果、誘導されたTreg細胞は炎症抑制性のサイトカインであるInterleukin-10、T細胞増殖の抑制に寄与する表面分子CTLA4を発現していたため、機能的なTreg細胞であることが示唆された。単離した17菌株のClostridiaの大腸炎症状抑制効果を検討した。17菌株を大腸炎モデルマウスに事前投与すると、その症状が緩和された。このことから、17菌株が症状改善効果を持つことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(抄録なし)
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(2 results)