2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J04128
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 麻里子 神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 生分解 / 樹脂コンクリート / 循環型社会 / 強度低下推定 |
Research Abstract |
1. 分解性樹脂コンクリートの作製・埋設. (樹脂率や板厚など, いくつかの条件を変えて作製) 予備試験などを実施し, 樹脂を選定し, 分解速度の比較的速いポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)を用いることに決定した. PBSAを用いて2年間分の供試体を作製・埋設. 分子量, 樹脂率(8,10,12%), 板厚(30㎜, 40㎜)を変化させ, 計12種類の供試体を作製した. 2. 埋設土の選定 木質堆肥・洗砂・竹炭を用いて数種類の埋設土作製し, 所定の埋設期間ごとに採取し低温で保存. 3. 三点曲げ試験, 4. 圧縮強度試験 約1年間の埋設期間を経て. 多くのデータが得られ, 埋設土種や分子量の違いによる圧縮・曲げ強度の低下傾向を明らかにした. その結果, 埋設期間と強度の関係は, ポーラスコンクリートの空隙率と圧縮強度との関係と類似していることから, 本実験で用いた生分解性樹脂コンクリートも, 埋設期間が長くなるにつれて分解され, 空隙が増加していることが推察された. また, 曲げ試験後の破断面の詳細な観察によって, 骨材が樹脂部分から抜け落ちている状況が確認され, このことから, 生分解性樹脂コンクリートは, 埋設期間が経過するに従い, 樹脂と骨材の付着強度が減少することが考えられた. 5, 埋設土中の微生物の同定微生物量測定(クロロホルムくん蒸法による微生物量測定を実施) クロロホルムくん蒸法によって, 2ヶ月ごとの埋設土中の微生物量を測定した. 微生物を培養させ, PBSA樹脂の分解菌の同定も行った・その結果PBSAを分解する可能性のある微生物は, Ochroconis constricta(糸状菌)とStreptomyces albogriseolus(放線菌)であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1. 当初, 供試体の分子量の違いを考慮する予定ではなかったが, 分子量の異なる供試体を作製することができ, 新たな知見も得られた. 2. 微生物量の測定だけでなく, PBSAを分解する微生物の同定にも成功した. 3. 土中埋設だけでなく, 水分による影響だけを考慮するために水中養生を実施し, 強度低下傾向を示した.
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Strategy for Future Research Activity |
1. 樹脂の違いによる分解の傾向を調べる(ポリ乳酸PLAを用いる). 2. 密閉した容器内で供試体を土中埋設したため, 好気性細菌であるPBSA分解菌が, 月日が経つにつれ不活性になっていることが考えられた(実際, 強度低下も収束してしまっている). ゆえに, 定期的に土を混合し空気が土中に行き渡るようにし, 実際の土中に近い状態にした上で実験を実施する. 3. 供試体の作製段階における人為的なバラツキがあり, 強度低下の傾向を定式化することが困難であった. よって, 統計的劣化推定モデルを用いて定式化を試みたい.
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Research Products
(4 results)