2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代天体観測用大ストローク多素子MEMSデフォーマブルミラー
Project/Area Number |
13J04161
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
呉 同 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 補償光学 / デフォーマブルミラー / MEMS |
Research Abstract |
1. デフォーマブルミラー(Deformable mirror : DM)の製作プロセス安定性を向上した 現在のMEMS試作施設の実験で最適なプロセスの条件だしを行い, 64素子DMのプロトタイプを製作した. プロセスの安定性を考え, プロセスを最適化した : (1)接合プロセスに金とシリコンの共晶化接合を採用した. 金とシリコンの共晶化反応で合金が生成され, 高い強度が実現できた ; (2)接合パッドは直径35μmの円状パッドで, 接合面積は極めて小さいため, 接合の条件だしを行った ; (3)薄膜構造が基板に付着する問題に対し, リリースプロセスにおいてすべてドライ・エッチングを採用した. 2. 製作したDMの全体評価を行った (1)ウエハの張り合わせの製作方法により約20μmのギャップを実現できた. また, 残留応力によりミラーは凸形状になり, 全体のピークバレー値がおおよそ2μmである ; (2)ミラー表面の静的変形形状を測定し, ストロークを確認した. 110Vで7μmの変位が得られた. 既存の連続メンブレンDMに比べて大きいストロークが得られた, ; (3)ミラー表面の動的変形形状の測定を行い, 周波数応答特性を調べた. DMの反応時間は1.1msであるため, 天体望遠鏡補償光学系に適用できる. 3. ストロークを大きくするため, 新構造の設計及び製作を行った (1)DMのストロークを大きくするため, ミラーの支持構造を改良し, 電極ギャップを80μmに大きくできるように新構造を提案した. (2)有限要素法を用い, 要求されるDMの静特性に達成できるように構造設計を行った. (2)新構造にたいし新しい製作プロセスを提案し, 製作を行った. 何度の試作によりプロセスを改良し, 4㎜角の自立薄膜ミラーの製作に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、DM製作プロセス安定性の向上し, 製作したDMの全体評価を行ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
ストロークを大きくするため, 新構造の設計及び製作を行ったが, 機械構造と配線同時に製作できなかったため、製作プロセスを見直しする必要がある. 試作により新構造の製作プロセスを確立し, 8×8=64素子のDMを製作する予定である。新構造を製作し, 狙いに近い特性を実現していく。
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Research Products
(3 results)