2015 Fiscal Year Annual Research Report
混合感染が病原性クラミジアの細胞修飾機構に与える影響とその分子基盤の解明
Project/Area Number |
13J04219
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山﨑 智拡 北海道大学, 保健科学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 性器クラミジア / ウレアプラズマ / 混合感染 / 遺伝子導入 / 遺伝子多型解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
Chlamydia trachomatis(以下、性器クラミジア)は性感染症の原因菌であり、性器クラミジア感染症は世界中で数百万人が感染し、不妊の原因ともなっている。しかし、感染機構や病態形成機構などは未知な部分が多く、膣粘膜面には多数の微生物が存在し、性器クラミジアの病態形成機構をより複雑化している。 クラミジアは偏性細胞内寄生性細菌であり、遺伝子変異株作製方法が十分に確立されておらず、クラミジア病態形成機構解明研究は、他の病原体に比べて立ち後れている。そこで、混合感染による性器クラミジアの細胞修飾機構に与える影響とその分子基盤を解明するために、性器クラミジアの遺伝子変異株を作製し、緑色蛍光蛋白質GFP発現性器クラミジアを確立した。しかしながら、クラミジアのタンパク質(IncA, OmpA)をコードする遺伝子領域をプラスミドに付与し、クラミジアに導入しても、通常の局在と異なっており、他のタンパク質についても同様に導入を試みたが、GFP発現を確認できなかった。 一方、男性泌尿生殖器にも性器クラミジアは感染する。男性泌尿生殖器は基本的に無菌であるが、サンプル数が少なく、比較された論文はこれまでに存在しなかった。そこで、我々は特に外環境に接している外膜タンパク質に差が生じるのではないかと考え、男女分離株の多型性外膜タンパク質PmpFの遺伝子多型を検討した。結果、男性分離株のPmpF配列多型は女性分離株に比べて乏しく、株間での変異が少ないことを明らかにした。また、男性分離株の内で、眼疾患株に特有の血清型を持つStrain 54株のドラフトゲノム解析をし、Pmps(A-I)の配列を解析したところ、PmpB配列にユニークな多型が見られた。このことから、混合感染などによって、外膜タンパク質遺伝子に多型が生じ、クラミジアの病態形成機構や細胞修飾機構に対し有利に働いている可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)