2015 Fiscal Year Annual Research Report
脂質・タンパク質ラジカルの選択的検出・同定手法の開発
Project/Area Number |
13J04222
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松岡 悠太 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脂質ラジカル / 蛍光ニトロキシド / タンパク質ラジカル / 蛍光分析 / 光化学 / ニトロソアミン |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質・タンパク質ラジカルの選択的検出・同定手法の開発のため、本年度は、これまでに明らかとした蛍光原子団とニトロキシドとの相互作用を基盤原理として、各ラジカル種を高感度に検出可能な蛍光プローブの開発に着手した。脂質ラジカル検出プローブに関しては、環境応答性蛍光原子団NBD基を蛍光原子団に選択し、脂質ラジカルと鋭敏に反応する蛍光検出プローブを開発した。本プローブは活性酸素種とはほとんど反応せず、脂質ラジカルに対して選択的な蛍光応答性を示した。さらに本プローブを、培養細胞を用いた生細胞イメージングに応用したところ、ニトロソアミン (DEN)添加によって生じる脂質ラジカル種を検出可能であることが示された。そこで続いて、生体内脂質ラジカルの検出に着手した。DENを投与した疾患モデル動物の血漿中・肝臓切片中において有意な蛍光強度の上昇を観測した。また、本プローブはそのラジカル捕捉能より、抗酸化物質としても機能することが考えられた。そこでDEN投与後一時間後にプローブ蛍光団部位を取り除いたニトロキシド化合物を腹腔より単回投与したところ、後の癌形成を抑制することが明らかとなった。以上の結果より、脂質ラジカルはDEN誘発肝癌発症モデルにおいて極めて重要な働きを担っていることが明らかとなった。これらの研究成果は著名な学術雑誌に掲載予定である(Nat. Chem. Biol. accepted)。またタンパク質ラジカルの解析に向けては水溶性蛍光原子団であるフルオレセインとニトロキシド化合物を結合させた新規蛍光プローブの合成を行った。本プローブは血漿中に豊富に含まれるアルブミン中に発生したラジカル種を捕捉することで蛍光標識することが可能であった。 これらの研究より、「ラジカル」を捕捉することで蛍光を発する新たなプローブ設計における基盤原理、並びにその応用を進めることに成功した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)