2015 Fiscal Year Annual Research Report
機械と量子化学の融合によるマルチフィジックス型MEMSプロセスシミュレータの開発
Project/Area Number |
13J04457
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 寿 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分子動力学法 / MEMS / エッチング / 半導体 / 量子化学 / CVD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、微小スケールでのMEMS加工プロセスに関して、量子化学に基づくマルチフィジックスシミュレーションを活用することで、最適プロセスの理論設計の実現することであった。平成27年度は、前年度までに開発したエッチングシミュレータの改良を行い、シリコンカーバイド(SiC)のエッチングプロセスにおける反応メカニズムの解明などを行った。 エッチングプロセスの理論設計のため、連続的なラジカルの照射機能、生成分子の消滅機能等を実装したエッチングシミュレータを開発した。また、前年度に引き続き、複数種のエッチャント照射機能、並びに量子化学計算における照射ラジカルと基板を別々に計算可能にするアルゴリズムの導入に取り組み、計算精度の向上を実現した。平成27年度の研究計画の通り、開発したシミュレータを用いて、SiCのエッチングシミュレーションを行った。SF5ラジカルとO(酸素)を同時に用いたSiCエッチングシミュレーションにより、O原子がCOやCO2分子の蒸発によってC原子の脱離を促進し、エッチング速度を低下させうるC-C結合の形成を抑制するメカニズムを明らかにした。また、C-C結合の生成を抑制する最適なSF5、O(酸素)混合比を算出し、エッチング速度の面で有利なエッチング条件を示した。これは、原子・電子レベルの化学反応ダイナミクスの計算結果から、実際のプロセス設計が実現した点で有益であり、量子化学計算の新たな活用手段を示した点で意義深い。また、研究計画の通り、エッチングシミュレータを応用したCVDシミュレータの開発を行った。開発したCVDシミュレータを用い、WF6、SiH4、H2分子の3種類を用いたWxSiy薄膜の成膜プロセスに関して、生成分子の解析を行った。 研究の成果は、平成27年度の研究計画の通り、学術論文、並びに海外での国際会議にて発表した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)