2013 Fiscal Year Annual Research Report
始原生殖細胞の形成、増殖、分化過程におけるポリコーム因子PRC2の包括的機能解析
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13J04473
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長岡 創 京都大学, 医学研究科機能微細形態学, 特別研究員(PD)
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Keywords | 減数分裂 / 生殖細胞 / 始原生殖細胞 / ES細胞 |
Research Abstract |
本年度は始原生殖細胞(Primordial germ cells : PGCs)の分化過程でポリコーム複合体を介したエピゲノム情報の編成が減数分裂開始に影響を与えるという報告を受け、減数分裂開始に必要十分な因子の同定を目指すべく、その基板を構築することに注力した。受入研究室にて培養ディッシュ上でES細胞からPGC初期分化過程を再構築する体外培養法が開発され、培養ディッシュ上でPGCの分化過程を解析する基板ができたことを踏まえ、生殖細胞への分化過程で減数分裂誘導遺伝子候補を強制発現できるES株を構築した。具体的には、減数分裂誘導遺伝子候補のスクリーニング、遺伝子強制発現ベクターの作成、ES細胞へのベクター導入を行った。 性決定後、雌PGCは減数分裂に入るが雄PGCは一旦増殖停止し、その後精原細胞前駆体であるGonocyteへと分化するため、その時期に雌雄で顕著に発現のプロファイルが違う遺伝子を絞り、既存の文献とも照らしあわせてスクリーニングを行った。その後ピックアップした遺伝子を雌PGCより構築したcDNAライブラリーからクローニングを行い、FLAG, HAなどのエピトープタグの遺伝子配列を付与しDoxycycline依存的に細胞内で強制発現を行うことができるベクターを作成した。上記のPGC培養基板の開発を踏まえ、候=補遺伝子強制発現ベクターをPGCレポーターES細胞に導入し候補遺伝子を減数分裂前の生殖細胞で強制発現できる系を構築した。現在、分化誘導したPGC様細胞に候補遺伝子群を強制発現させ減数分裂開始への影響を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は雌PGCの減数分裂開始機構を培養ディッシュ上で解析するための基板の構築を目指し、減数分裂誘導遺伝子候補のスクリーニング、遺伝子強制発現ベクターの作成、そしてマウスES細胞へのベクター導入を行った。そしてES細胞から生殖細胞へと分化誘導を行う実験系を用いて減数分裂誘導遺伝子を強制発現できる系を構築することができた。これらの結果は当初計画通り、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度構築した生殖細胞分化誘導系を用いての解析を進め、減数分裂開始機構の多角的な解明を目指す。
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