2014 Fiscal Year Annual Research Report
始原生殖細胞の形成、増殖、分化過程におけるポリコーム因子PRC2の包括的機能解析
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13J04473
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長岡 創 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 始原生殖細胞 / ES細胞 / 減数分裂 / 卵子 / 精子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリコーム複合体によるエピゲノム修飾の制御が雌の始原生殖細胞において減数分裂開始に重要という報告を受け(Yokobayashi S, et al. Nature 2013)、始原生殖細胞(PGC)の分化過程における減数分裂誘導機構の更なる解明を目指すべく、研究を進めている。
受入研究室においてES細胞からPGCLCsへと分化する体外培養系が確立され、PGCLCsへと分化誘導した細胞において減数分裂誘導候補遺伝子の発現を試みたが、細胞がPGCLCsへと分化していく段階で発現ベクターのサイレンシングがおこることが判明し、発現ベクターの再構築が必要となった。
先行研究において、抗サイレンシング効果のあることが知られているインスレーターエレメントを発現ベクターへと導入し、PGCLCsの分化系における抗サイレンシング効果の評価を行った。インスレーターエレメントを発現ベクターの5末端側、または5,3末端両方で挟むなど、様々なコンビネーションで試したところ、PGCLCsにおいても発現を誘導することが可能となり、インスレーターによる抗サイレンシング効果が見受けられた。インスレーターを両側で挟むようにベクターを設計すると、抗サイレンシング効果が高いことも判明した。しかし、完全にサイレンシングを防ぐことは難しく、遺伝子の発現レベルは徐々に低下することも分かり、starting materialとして発現レベルの高いES株を用いることにより、PGCLCsにおける減数分裂誘導候補遺伝子の機能解析を目指すこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予想していなかった遺伝子発現ベクターの分化過程におけるサイレンシングという問題に直面したものの、発現ベクターの改変、そしてPGCLSsの分化過程における遺伝子発現動態の詳しい解析により、生殖細胞分化過程における遺伝子発現ネットワークの解析の基板となる系が構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、受入研究室内の他のプロジェクトの発展により得られた新たな知見を元に新たな候補遺伝子を検討しており、遺伝子のクローニング及び、発現ベクターの構築を新たに行い、PGCLCsにおける減数分裂誘導候補遺伝子の機能解析を目指している。
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