2014 Fiscal Year Annual Research Report
コントローラの分散によるSDNの高信頼化に関する研究
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13J04479
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小谷 大祐 京都大学, 学術情報メディアセンター, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | SDN / OpenFlow / 制御部 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、2点について研究を行った。 一点は、ネットワーク機器が過負荷に陥る問題を緩和する機構である。昨年度は基礎的な評価を行ったが、プロトタイプソフトウェアの内部の処理時間の変化と問題の緩和との関係について評価ができていなかった。そこで、平成26年度はソフトウェアの各コンポーネントにおける処理時間を評価し、スイッチにおいては、パケットをコントローラに送るための処理に関わる時間が非常に大きいこと、提案手法と一緒に用いることを想定しているパケットのレートを制限する機構や破棄する機構はそれより非常に短い処理時間で処理できること、新たなフィルタのルールを追加する際は、パケットをコントローラに送るための処理に関わる時間と同程度の処理時間であることを明らかにした。提案手法では時間のかかる処理の実行頻度を低くできており、その結果、負荷の緩和ができていることが分かった。 二点目は、ネットワークの転送制御を行うある程度分散して配置されているコントローラと、ネットワーク全体を制御するコントローラとの間の接続方法である。ネットワーク全体を制御するコントローラは、ネットワーク全体の制御ポリシーを決定するために常に最新のネットワークの状態を把握しておく必要があり、ネットワークの転送制御を行うコントローラはネットワーク全体に波及するイベントを速やかにネットワーク全体を制御するコントローラに通知する必要がある。そこで、様々な障害を想定し、非常に類似したアーキテクチャをとっている OpenFlow を例に、コントローラとがネットワークの障害の検知やルールの設定に時間がかかるケースについて検討と調査を行った。その結果、コントローラとスイッチの接続部で障害が起こった際に検知に時間がかかるケースがあることを明らかにした。これに対する対応策を検討し、実装を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネットワークを安定して制御する上でのスイッチのソフトウェア実装について処理時間の観点からボトルネック部分を明らかにできた。また、上位のコントローラと下位のコントローラ(またはスイッチ)を制御する上での課題が発見されたが、それについても解決する目処が立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に検討した「上位のコントローラと下位のコントローラ(またはスイッチ)を制御する上での接続部分の障害の検知」について、引き続き OpenFlow を対象にどのように検知したり、回避したりするかを検討・実装し、評価を行う。また、それを OpenFlow 以外でも適用できるように一般化し、コントローラとネットワークの制御を行う機器との間で用いるプロトコルについて研究を進める予定である。
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Research Products
(1 results)