2014 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙デブリ除去のための位相共役光を用いた光エネルギー伝送
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13J04508
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川上 言美 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 位相共役光 / 無線光エネルギー伝送 / 宇宙デブリ除去 / 四光波混合 / 飽和利得 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザーアブレーションを用いた微小宇宙デブリ除去には,遠隔デブリの検出と追尾,そしてデブリへのレーザー集光を行う必要がある.位相共役光はこれらを自動的に(光の物理現象のみで)行うため,応答速度が遅く,複雑でコストのかかる機械的な制御を必要としない.特に,光路上で受ける波面歪みを自動補正するため,高い安定性で回折限界に近い光をターゲットに集光し続けることができる.位相共役光の発生方法は様々であるが,本研究では,ハイパワーオペレーション向きで応答速度の速い利得媒質中の利得飽和現象を利用して位相共役光発生を行い,光エネルギー伝送システムとしての応用可能性を評価することを目的としている. 現在までに,光エネルギー伝送に適した自己励起型位相共役鏡をデザインした.位相共役光の発生を確認し,位相共役光出力や効率の測定を行い,先行研究の記録を上回る位相共役光出力を得ている.また,位相共役光発生時の過渡的振る舞いを調べ,ターゲットからの信号光に対してそれ以上の位相共役光出力(1以上の反射率)を確認した.さらに,ターゲットの位置を動かしてトラッキングテストを行い,高い追尾性能を確かめた.ライターの炎で作成した空気揺らぎのリアルタイム波面補正,光学系の工夫による視野角拡大,2点同時集光能力を評価し,論文にまとめた. 本研究は微小宇宙デブリ除去にとどまらず,飛翔体へのレーザー光による無線給電,衛星間などの長距離無線光通信など,宇宙から民政レベルまで様々な応用にとって重要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
位相共役光の発生に成功し,諸特性を調べた.当初の計画通り研究が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,実際にターゲットを連続して動かし,追尾が可能であることを確かめる.
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Research Products
(8 results)