2013 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンリモデリング因子CHDの包括的な機能解析
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13J04520
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
喜多 泰之 九州大学, 生体医学防御研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CHD / CHD9 / クロマチンリモデリング / ノックアウトマウス / 脂肪分化 |
Research Abstract |
クロマチンリモデリング因子であるCHD9の個体レベルでの機能解析をするために、CHD9KO(ノックアウト)マウスを作製した。CHD9と非常に相同性が高いアミノ酸配列をもつCHD7及びCHD8のKOマウスは胎生致死の表現型を呈するのに対し、今回作製したCHD9KOマウスは外見的な異常は見られず、正常に発生した。 CHD9KOマウスの褐色脂肪組織及び白色脂肪組織から脂肪前駆細胞を取り出し、ex vivoで脂肪分化を誘導した。その結果、野生型マウスの脂肪前駆細胞に比べて、CHD9 KOマウスの脂肪前駆細胞では脂肪分化が抑制されることがわかった。このことから、CHD9は脂肪分化の制御調節因子であり、CHD9KOマウスは肥満に対して抵抗性がある可能性がある。 この点に関して、現在詳細な表現型を解析している。 本研究の最終的な目的は、CHD9の解析結果をCHD7およびCHD8の解析結果と比較検討することによって、その共通の機能及び特異的な機能を抽出し、各CHDファミリータンパク質の本質的な機能を解明することである。そのため、CHD8コンディショナルKOマウスから脂肪前駆細胞を取り出し、ex vivoでCHD8を欠損させ、脂肪分化を誘導して、CHD9との夫現型の違いを調べた。その結果、CHD8を欠損した脂肪前駆細胞はCHD9を欠損した脂肪前駆細胞と同じく、脂肪分化が抑制されることがわかった。 さらに、CHD8及びCHD9を欠損させた脂肪前駆細胞では、脂肪分化のマスター因子であるC/ebpα及びPparγの発現が抑制されていた。このことから、CHD8はCHD9と同様のメカニズムで脂肪分化を制御しており、そのノックアウトマウスは肥満に対して抵抗性がある可能性がある。現在、マイクロアレイ及びChIP-seq解析を用いたCHD8及びCHD9の下流遺伝子の網羅的な探索を行ており、その解析結果を比較することによって、CHD8とCHD9の共通機能及び特異的な機能を抽出解明することを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クロマチンリモデリング因子であるCHD9ノックアウトマウスの作成に成功した。また、ノックアウトマウスを用いたex vivoでの解析から、CHD9が脂肪分化に関与していることを発見した。 CHD9ノックアウトマウスが、他のCHDファミリーノックアウトマウスと異なり、正常に発生するという表現型は予想外であったが、そこから脂肪分化の異常という表現型を見いだしており、期待通りに研究が進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に推移してきており、特段研究計画の変更点や問題点等はない。今後も研究計画に沿って着実に研究を遂行する予定である。
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Research Products
(1 results)