2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内におけるSOD1蛋白質の構造・運動性解析による神経変性疾患の発症機構の解明
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13J04532
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村山 秀平 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | ジスルフィド結合 / 酸化還元電位 / 細胞内環境 / 溶液NMR法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、SOD1を含め、多くのタンパク質の機能に関与しているジスルフィド結合に関して、細胞内における物性を評価する研究を行った。 多くのタンパク質が、分子内あるいは分子間に、ジスルフィド結合を有している。これらタンパク質のジスルフィド結合は、多くの生命現象において、重要な役割を担っていることが知られている。本研究では、溶液NMR法により、細胞内におけるタンパク質分子内ジスルフィド結合の被還元速度の定量を行った。また、得られた結果より、細胞内の酸化還元電位を評価した。 実験には、分子内にジスルフィド結合を持つタンパク質CskのSH2ドメインを用いた。細胞内にSH2ドメインを導入し、細胞内おいて還元される速度を定量することに成功した。また、細胞内の主要な還元剤であるグルタチオンの生合成を阻害することで、細胞内を酸化的な条件にし、同様の実験を行った結果、被還元速度の低下が確認できた。このことから、SH2ドメインのジスルフィド結合をプローブとして、細胞内の酸化還元状態の変化を検出できることが示された。さらに、試験管内での結果と比較することで、タンパク質分子内ジスルフィド結合をプローブとして、細胞内の酸化還元電位を評価することに成功した。得られた細胞内の酸化還元電位は、従来報告されていた値よりも、より還元的な値であった。これは、タンパク質の分子内ジスルフィド結合の物性が、細胞内環境の影響を受けることが原因と考えられる。特に、本研究の解析から、細胞内において、分子込み合い効果が大きく影響を与えていることが原因の一つであることが示唆された。 現在、その成果を論文として発表するため投稿準備を行っている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)