2013 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム鉄器時代・サーフィン文化の総合的再検討からみる東南アジアの甕棺葬
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13J04549
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 朋美 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | サーフィン文化 / ベトナム中部 / 甕棺墓 / 土器編年 / 型式学的研究 / 東南アジア考古学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ベトナムと他地域との比較による環南シナ海地域甕棺葬の総合的理解に向けた、ベトナム中部サーフィン文化(紀元前1千年紀後半~紀元後2・3世紀)の甕棺資料の実測図化と遺物編年の作成である。 2013年度はベトナムの各研究機関にて報告書などの資料収集を行い、各遺跡の基礎情報を収集した。日本では入手できなかった新たな報告書や論文などの資料を手に入れ、分析用のデータを補強した。 また、ベトナム中部ダナン市・クァンナム省ホイアン市・タムキー市・ディエンバン県・ズイスエン県で資料調査を行い、遺物の観察と実測を行った。その結果、ベトナム中部クァンナム省トゥーボン川流域の型式変化について、2段階の時期区分のうち初期の1段階を2段階に細分する案を提示し、さらに、甕棺の形態には2系統が存在する可能性を指摘した。この成果について学会で発表した。 さらに、土器の地域性についても検討を行うために、ベトナム中部の各河川流域にて土器の胎土分析用の河川堆積物(鉱物)のサンプリングを行った。 また、以前からベトナムにおける器種分類の手法については疑問点が多く、非論理的な部分があることを認識していた。そのため、新たに入手した資料を用いて、ベトナム中部トゥアティエンフエ省フォーン川流域の器種分類について再検討を行い、器種分類に関する問題点を指摘し新たな分類基準を構築することができた。この基準の構築により、ベトナム中部の甕棺葬土器の体系的分類が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベトナムの各省にて遺物のコンテクストの確認と補完のための実測を集中的に行うことで、サーフィン文化の遺物に対し今まで困難であった型式学的研究を進めることができた。また、その結果より詳細な地域的・時間的な違いを見出し、サーフィン文化の変容と地域性に迫ることができた。しかしながら、博物館の改装・手続きの問題なので調査がはかどらなかった部分があるのは残念であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最大の目的である土器編年の完成後は、対象地域の周辺(ベトナム北部・カンボジア・ラオス)との型式学的な比較を行う。東南アジア考古学では、型式学的な比較検討がまだ不十分な部分があるため、本研究の成果を元に、紀元前1千年紀後半の東南アジアの交流や文化的影響関係について検討を行っていきたい。また、土器の胎土分析などの地質学的手法を取り入れながら、ベトナム中部におけるサーフィン文化内部の交流についてもより詳細に言及できるような研究を行っていく。
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Research Products
(3 results)