2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規光学技術によるシナプス構造可塑性を担う分子構造の解明
Project/Area Number |
13J04607
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
後藤 明弘 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | cofilin / in vivo imaging / FRET / 線条体 |
Research Abstract |
Cofilinがシナプスの可塑性にどのように寄与しているかを研究するにあたり、最終的にはマウスの行動レベルでの解析が必要となってくる。つまり、分子レベルでのcofilinの動態が、どのようにシナプス可塑性、記憶の分子メカニズムを構成し、その結果マウスのどのような行動に寄与するかを検討する必要があるaをまた、FRETを用いることで、in vitro, in vivo両方の実験系で多様な分子の活性の動態を調べることができる。したがって本課題を進めるにあたって、まず1年目である今年度はマウスの脳におけるFRET in vivo imagingの系を立ち上げた。 行動制御に関与すると考えられる背側線条体に着目した。メインの出力細胞であるMedium Spiny NeuronはD1, D2受容体を介してドーパミンの影響を受ける。PKAはドーパミンを反映し、ERKは細胞の最終的な転写翻訳を反映していると思われるので、この2つの分子をin vivoで動いているマウスの脳内で観察する系を立ち上げた。まず、Creシステムを用いてPKAとERKのFRETバイオセンサーを背側線条体特異的に発現するマウスを開発した。次に、fiber状の内視顕微鏡を脳内に埋め込むことによって、覚醒下のマウスの線条体におけるPKAとERKのin vivoイメージングをすることに成功した。 その結果、D1細胞ではコカイン投与によるhyperlocomotionの際にはPKAとERKの活性化が見られ、電気刺激による運動の際にはPKAとERKの不活性化が見られた。一方D2細胞ではPKAとERKにおいて逆の反応が見られた。以上から、報酬、忌避に関する運動の際、D1とD2では反対方向にPKAとERKが制御されていることがわかった。今後はこの系を、cofilinのvivoでの可塑性への寄与を検討するために用いる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はin vivoにおける分子活性を検出する系を確率することができた。今後cofilinのviVoでの機能解析を行う上で重要な技術を確率出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はvivoでの解析技術を確率できたので、今後は研究計画の予定通りvitroにおけるcofilinの機能解析を行う。具体的にはスライス培養下の海馬錐体細胞にLTPをおこし、その際のcofilinの動態を検討し、さらにはそのメカニズムを検討していく。
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