2015 Fiscal Year Annual Research Report
中央アジア・シベリア出土品から見たシルクロードの織物技術と文化交流に関する研究
Project/Area Number |
13J04627
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
村上 智見 帝塚山大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 考古学 / 文化財科学 / 染織史 / シルクロード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シルクロード交流の実態解明を目指し、中央アジア・シベリア地域から出土した織物の調査研究を実施した。織物研究の蓄積が少ないウズベキスタン共和国(ウズベキスタン科学アカデミー)、ブリヤート共和国(ロシア科学アカデミー)、モンゴル国(モンゴル科学アカデミー、国立歴史博物館、国立カラコルム博物館、ザナバザル名称美術館、アルハンガイ県立博物館、軍事博物館、モンゴル科学技術大学、モンゴル国立大学)等で調査を実施し、日本や中国出土資料との比較を進めた。 ウズベキスタンでは青銅器時代・鉄器時代~16世紀の織物を調査した。古くからシルクロードの織物産地として知られていながら、出土資料が少なく、どのような織物文化が存在していたのか不明な点が多かったが、他地域に残るソグド製にとされる錦や、現地で出土した金属銹着織物や土器布圧痕、炭化織物などを調査することで、ソグディアナ地域の織物文化の一端を明らかにすることができた。 モンゴルでは、紀元前5世紀~13世紀の織物を調査した。すでに紀元前5世紀から編布やフリンジ、毛皮製品が存在しており、匈奴(紀元前2世紀~ご世紀)には中国の絹、西方の刺繍、現地製のフェルトなどが見られた。突厥墓(7世紀)からは、シルクロードの織物に代表される連珠円文経錦や宝相華文緯錦、羅や綾の他、西方の四弁花文や棋文等の緯錦が見られ、さらに中国製にも西方製にも分類できない錦や印金織物等が確認できた。経錦は我が国の正倉院所蔵の錦と同一文様・技法であることが分かった。 ブリヤートもモンゴル同様、各時代を通して中国の絹が流入するとともに、現地製と考えられる織物が散見された。 本研究により、北方地域にも東西から多くの織物がもたらされ、また自らも生産するなどして豊かな織物文化を形成していたことが明らかになった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)