2013 Fiscal Year Annual Research Report
ADAMプロテアーゼが担う心臓神経堤分化制御の解明
Project/Area Number |
13J04661
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒井 宏行 京都大学, 再生医科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ADAMプロテアーゼ / 神経堤 / 心臓 |
Research Abstract |
脊椎動物において神経堤細胞は背側から生じ、その一部が心臓へと移動してくる。心臓が正しく形成されるためには、この神経堤細胞が心臓で適切に配置し、分化する必要がある。このため細胞同士のコミュニケーションは非常に重要となる事が予測される。具体的には細胞の移動、接着、細胞外シグナル分子の伝達、細胞外タンパクのプロテオリシスなどがそれにあたる。我々はこの細胞同士のコミュニケーションの鍵を握るタンパクである膜型プロテアーゼADAM (a disintegrin and metalloprotease)について研究を行っており、特に心臓神経堤細胞で発現し、その遺伝子欠損マウスが心室中隔欠損を示すADAM19に着目し、心臓形態形成におけるADAM19の機能解明を目的として解析を行っている。これら心臓神経堤細胞は心臓流出部(outflow tract)の形成や心室中隔の形成に重要な機能を果たしており、心臓神経堤細胞の異常は先天性心疾患を引き起こすことが知られている。このことから本研究は先天性心疾患の病態理解・治療法を発展させる上で重要性の高いものであると考えられる。また、心臓神経堤細胞の移動や分化のメ力ニズムには不明な点が多く残っており、ADAM19についてもその詳細な分子メカニズムは明らかにされていない。本研究はそのメカニズムを明らかにするものであり、今後、心臓神経堤細胞の研究にも新しい知見をもたらすものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画にあるマイクロアレイ解析を行い、変化のあった候補分子の解析が順調にすすんでいること。ADAM19が心臓で切断する基質候補が明らかになりつつあること。以上のことから区分②に該当すると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、心臓神経堤細胞の培養実験をすすめ、細胞レベルでの検証を行っていく。解析用マウス数が不足しているのでIVF等により交配をすすめ、より硬いデータを得る。
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