2014 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡状態に対する遷移線形化の手法による非線形応答理論
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13J04728
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 駿 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Vlasov方程式 / 臨界指数 / 保存力学系 / 平均場モデル / 非線形応答 / 非平衡統計力学 / 準定常状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に非線形応答理論の一般論とその具体的なモデルへの応用を行った[1]が, 残された問題点は以下の二つである. a) 数値計算結果と理論的な予測は常に合うわけではない. b) 秩序変数での展開を行い, 非線形応答について解析的に調べ, 臨界指数を求めることなどは空間一様定常解(無秩序相)のみでしかなされていなかった. また, 秩序相側の臨界指数γは空間非一様定常解(秩序相)における線形応答理論から求められているので, γとδの間のスケーリング関係式が成立したのは単なる偶然なのかということも不明である. また, 孤立系の非古典的な臨界指数についてはハミルトニアン平均場モデルについてしか求められておらず, その普遍性が不明である. a)については, ハミルトニアン平均場モデルにおいて, 理論予測がうまくいくのは「初期状態が臨界点付近であること. (Landau減衰率が小さい)」「摂動が高次のFourierモードを持たないこと. 」の場合であることが確認された. 当初の予定ではLandau減衰を取り入れた補正を行う予定であったが, それ以外にも数値計算結果と理論のズレの原因となるものがあることが判明したので, どういった場合に理論と数値計算結果が合うのかということをまとめプレプリント[2]を公開した. b)については, より一般的な空間一次元系において, 再分配公式で得られた終状態を非一様初期定常状態周りで展開する方法を発見し, 秩序-無秩序相間の二次相転移における臨界指数はハミルトニアン平均場モデルの場合と一致し, スケーリング関係式も必然的に成立することを示した。これも論文にまとめプレプリント[3]を公開した.
[1] S. Ogawa and Y. Y. Yamaguchi, Phys. Rev. E 89, 052114 (2014). [2] Y. Y. Yamaguchi and S. Ogawa, arXiv:1411.6759. [3] S. Ogawa and Y. Y. Yamaguchi, arXiv:1412.1593.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)