2014 Fiscal Year Annual Research Report
導電性素材を用いた変形可能な柔らかい入出力デバイス
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13J04890
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山岡 潤一 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユーザインタフェース / ヒューマンコンピュータインタラクション / ファブリケーション / 創作支援 / クリエイティブツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、デジタル情報を直感的に扱うために、身近なマテリアルを用いた入出力インタフェースの開発を進めている。例えば粘土や紙、あるいはハサミやペンなど普段慣れ親しんでいる素材や道具の特性に着目し、それらを入出力としたインタフェースとすることで、”書く”や”造る”、”切る”などの手作業の創作活動がデジタル技術により拡張できると考える。今年度は、昨年度から進めているプロジェクトの発展を行ったり、デジタルファブリケーションなど新たな視点からの新規プロジェクトの開発などを進めた。 例えば振動モータの多方向牽引力を用いた描画支援のためのペン型デバイスや、タブレット型画板と導電性筆を用いた紙の上への描画促進ツール、導電性樹脂と3Dペンを用いた「歩く」3Dドローイングの基礎検討、空中像と3Dプリンタを用いたインタラクティブモデリング環境などである。 幾つかのプロジェクトはすでに、採択率の低いUIST2014をはじめ国内外の学会などで展示を行っており、国際的な評価として認められている。また研究論文は情報処理学会論文誌の特選論文をはじめとして優れた研究や作品に贈られる賞なども受賞しているため、学術的にも社会的にも意義のある研究テーマであることが証明されている。 これらの取り組みは、導電性・柔軟性などの素材の特性をもつ身近な素材をベースとした入出力インターフェースあるいはデジタルファブリケーションの応用への可能性を示唆している。今後はこれらのプロトタイプを発展させるとともに、これまでのプロトタイプ群をまとめ、創作活動支援や情報操作技術への発展に繋がるようにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本資金申請時の2年度の目的は、柔軟な素材を用いた直感的な操作デバイスの開発と直感的な操作デバイスを用いたアプリケーションの実装であった。これらは、3Dペンなどを用いた空間ドローイングツールや柔らかい素材を用いたMorphingCubeなどの表現、また造形物と空中像を組み合わせたファブリケーションツールなど、実際にプロトタイプを開発して、さらに評価、対外発表を行っているため、当初の研究目的を達成していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針は昨年度からの継続である柔軟な素材を用いた直感的な操作デバイスの開発を進め、展示活動やワークショップを積極的に行いユーザ体験から得られるフィードバックを評価したいと考える。それらについてまとめ、国内外で発表することを目的とする。また柔軟な素材を用いた直感的な創作環境やデジタルファブリケーションツールの研究開発に着手し、近年のパーソナルファブリケーション研究や産業へ貢献する。
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Research Products
(6 results)