2013 Fiscal Year Annual Research Report
内在性受容体の特異的on cellケミカルラベリングと時空間的機能解析
Project/Area Number |
13J04988
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三木 卓幸 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 膜蛋白質 / 蛋白質ラベル化 / 蛍光イメージング / pulse-chase解析 / on cell / 蛋白質分解 |
Research Abstract |
申請者はこれまで、天然に存在する蛋白質に対し、その活性を保ったまま機能性分子を選択的に修飾する手法「リガンド指向型アシルイミダゾール化学(Ligand-Directed Acyl Imidazole, LDAI)ラベル化法」を開発してきた。本研究では、生理的に意義の高い七回膜貫通型のGPCRへの適用を目標とした。GPCRの一つであるブラジキニン受容体B2Rを標的にして検討を行うことにした。ブラジキニン受容体のラベル化剤として、peptide性のantagonistのN末端に反応基であるAcylImidazoleと、修飾するbiotinprobeを連結した化合物を設計し、Fmoc固相合成法によって作製した。WildtypeのB2RをtransfectionしたHEK293細胞に、ラベル化剤を添加し、3hourインキュベーションを行った。その後HRP-conjugated Streptavidineを使ったwestern blottingによりラベル化を評価すると、B2Rと同じ分子量域からバンドが検出され、ラベル化が確認することができた。 B2Rの選択的なラベル化が細胞上で進行することが確認できたため、B2Rの蛍光イメージングを試みたところ、細胞膜上から蛍光が観察された。その後の経時変化をみると、細胞内にinternalizationする様子が観察された。western blottingでラベル化B2Rのバンドを検出すると、経時的にバンド強度が減少する様子がとられ、半減期が8時間であることを見いだした。この変化は、B2Rの蛋白質分解を反映していると思われた。膜蛋白質の主な分解経路はLysosomeオルガネラでの分解である。そのため、Lysosomeを染色するLysoTrackerを用いて、ラベル化B2Rと共染色を行ったところ、それぞれの蛍光が重なり合って、B2RがLysosomeに局在変化していることが明らかとなった。以上から、B2Rをラベル化することでその蛋白質の寿命を解析できる、pulse-chase解析としてのツールにLDAIラベル化法が適用できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
生理的意義の高いGPCRにおいても、化学修飾により可視化、モニタリングすることができた。内在性の蛋白質ではないものの、構造が複雑で困難と思われていたGPCRへのラベル化が進行したことを踏まえると、当初の計画以上に進展していると言っても過言ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討により、遺伝子導入したGPCRを標的にしてラベル化することができたため、今後は内在的に発現しているGPCRを標的にしてラベル化、解析を試みる。内在性の蛋白質は、発現量が少ないことからより、効率よくGPCRをラベル化する必要があり、ラベル化剤の構造のチューニングにより問題点を克服していく。
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Research Products
(6 results)