2014 Fiscal Year Annual Research Report
化学刺激応答超分子ヒドロゲルの構築とバイオ材料への展開
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13J05008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉井 達之 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒドロゲル / 超分子化学 / バイオマテリアル / バイオマーカー / シグナル増幅 / 光応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
外部の刺激に応答して状態を変化させる超分子ヒドロゲルは、薬剤のコントロールドリリースや目視による診断など医療ツールとしての応用が期待できる。申請者は短鎖ペプチドのN末端に刺激応答性の部位を導入することによって様々な刺激に応答する超分子ヒドロゲルの開発を行った。 N末端にボロン酸フェニルメトキシカルボニル(BPmoc)基を修飾したペプチド分子BPmoc-F3は過酸化水素と反応し、ゲル-ゾル転移を示す。このゲルに酸化酵素(オキシダーゼ)を内包すると、基質となるバイオマーカーに応答しゲル-ゾル転移を起こす。しかし、ゲル化剤とH2O2の反応は 1:1 の両論比で起こるため、生体内に微量に存在するバイオマーカーに対してはゲル-ゾル転移を示さないという問題点があった。そこで、前年度までに、ゲルの高感度化を目指し、シグナル増幅機構を開発した。BPmoc-F3ゲルに増幅分子と尿酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼを内包し、尿酸を含む水溶液を添加したところ、応答の感度が向上した。今年度は、尿酸だけでなく、糖尿病のバイオマーカーであるグルコースの検出感度の向上に成功した。さらに、ガラス基板上にゲルアレイを作製することによって目視による簡便なバイオマーカー検出法の開発にも成功した。 本ゲル化剤分子の設計戦略を適用することにより、二光子励起に応答する超分子ヒドロゲルの開発にも成功した。ペプチドのN末端に光反応性のDMACmoc基を修飾したペプチド分子のライブラリを構築した。その中から、DMACmoc-FF(CF3)が中性条件下でヒドロゲルを形成することが明らかとなった。このゲルに近赤外光のフェムト秒パルスレーザーを照射することによって、ゲル内の局所空間のみをゾル化させることが可能であった。また、ゲルに内包したポリマー微粒子や、大腸菌などの運動を任意の時間・空間において制御することにも成功した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)