2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J05163
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
新村 芳美 千葉大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 送粉生態学 / 花形態の進化 / 送粉者シフト / オシロイバナ / スズメガ媒植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の研究から、オシロイバナは花色の多様性を獲得することで、「進化の袋小路」と言われるスズメガ媒花から脱出した可能性が示唆されている。もしこれが本当ならば、オシロイバナの花色の多様性は、送粉者シフトの中間段階を示している可能性もあり、送粉生物学の中で重要なトピックである送粉者シフトの研究に、新たなモデルケースを提供しうると考えている。私は本研究で、オシロイバナの花色がどのように進化してきたのかを明らかにするために、オシロイバナ属オシロイバナ節の系統推定及び、花色などの祖先形質状態の復元を試みた。しかしながら、一部、植物標本から抽出したDNAを用いたため、解像度の高い系統樹を構築することが出来なかった。また、実施を予定していた全葉緑体ゲノムを用いた系統解析については、遺伝子増幅が難しく、プライマーの再設計やPCR条件の検討などを進めてきたが、全てのサンプルの準備を終えることはできなかった。これまでに実施した葉緑体遺伝子領域3,328bpを用いた系統解析からは、オシロイバナの直近の祖先の花色を明らかにすることは出来なかったが、少なくとも、オシロイバナ節植物の祖先は赤色であった可能性が高いことが示唆された。また、原産地メキシコでの現地調査により、オシロイバナ節植物は花形質が多様化しているだけでなく、スズメガやハチ、ハチドリなど、送粉者も非常に多様化していることが明らかとなった。原産地メキシコの情勢の悪化により、サンプル採集や野外調査を思うように実施出来ず、当初の研究計画から大分遅れてしまったが、メキシコでの現地調査やハーバリウム調査、そして、日本で進めている分子実験によって、サンプルや最終実験の用意はほぼ整ってきたと言える。今後も引き続き、この3年間で得たサンプルとデータを用いて実験を行い、結論に辿り着きたいと考えている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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