2015 Fiscal Year Annual Research Report
消化管運動機能障害におけるペースメーカー細胞の可塑性と機能異常の解明とその再建
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13J05175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梶 典幸 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カハール介在細胞 / 消化管 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は消化管運動におけるペースメーカー細胞であるinterstitial cells of Cajal(ICC)における炎症性シグナルに対するICC可塑性とペースメーカー機能変化を解明することを目的としている。前年度までにin vitro実験系において、Th1型炎症刺激が一酸化窒素(NO)を介した酸化ストレスによりICCの障害を発生させることを明らかにした。本年度は消化管筋層における炎症を主因とする術後イレウスのマウスモデルを用いた、生体レベルにおけるICCの機能障害発生とその分子機構の解明を実施した。 回腸遠位部の操作(intestinal manipulation;IM)の24時間後に筋層におけるマクロファージおよび好中球の浸潤が認められた。このとき、ICCマーカーであるc-KitによりICCネットワークを評価した結果、c-Kit陽性ICCが有意に減少していた。一方、IMの48時間後には炎症細胞が減少しており、同様にc-Kit陽性ICCは対照群と同レベルまで回復していた。また、微小電極アレイを用いたICCのペースメーカー電位の発生とその伝搬を検討した結果、IM24時間後の筋層において、ペースメーカー電位の消失、不整な発生および伝搬の異常が認められた。一方、IMの48時間後にはペースメーカー電位の異常は改善していた。定量的PCRにより誘導型NO合成酵素(iNOS)のmRNA発現を検討した結果、IMの24時間後にはiNOSの発現が顕著に増加し、IMの48時間後には対照群と同レベルまで減少していた。IM処置の30分前および240分後にiNOS阻害剤であるアミノグアニジンを投与することでc-Kit陽性ICCの減少が抑制されたことから、IMによるICC障害においてもNOが関与することが明らかとなった。 in vitro、in vivoの検討結果よりTh1型炎症におけるICC機能障害の発生にはNOが大きく関与していることが明らかとなった。これらの成果は現在、学術雑誌へ投稿中である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)