2013 Fiscal Year Annual Research Report
知識創造としてのサイエンティフィック・イラストレーション制作
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13J05202
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
有賀 雅奈 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | サイエンティフィック・イラストレーション / 視覚表象論 / 知識創造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は科学者とイラストレーターの協働的サイエンティフィック・イラストレーション(以下、SI)制作において、イラストレーターが何を行っているのかを明らかにすることを目的にしている。平成25年度においては、その準備となる文献調査とイラストレーターの講座・協会の調査を実施した。 文献調査では、科学の視覚表象論、科学のイラスト制作に関わる資料を収集・調査した。科学史や科学社会学分野の視覚表象論と、生物画、復元画やメディカルイラストレーション、あるいは研究者の図画制作を解説した資料の調査の結果、観察に基づいて細密な描写をするobservational drawing【観察に基づいた描画】と概念的な図の制作、レイアウトなどのグラフィックデザインを分別する必要性があることが明確となり、申請者は概念的な図と観察に基づいた描写双方を、研究対象にする方針を決定した。 SIに関わる国内動向を明確にし、イラストレーターの役割を探求するために、SI関係の協会、教育組織について、東北大学や筑波大学などの数件の観察、ヒヤリングも行った。その際、国内のSI制作を担うイラストレーター数を調査する予定であったものの、SI制作のイラストレーターの所属数が少ない場合や、イラストレーターが流動的であることから、ヒヤリングでは把握が難しいことが判明した。このため、目安となる数を把握すべく、科学雑誌の調査を追加で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度において、国内におけるサイエンティフィック・イラストレーターの数については、当初予定した調査方法が適切でないことが判明し、追加の調査を行った。このため、当初の予定より計画が3ヶ月ほど遅れ、繰越を実施した。繰越を行った平成26年度は順調に調査が進み、国内動向の調査を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度内に終える予定であった国内の動向調査は、一部繰越を行い、平成26年度に完了した。その結果、日本国内の科学専門のイラストレーターの団体の活動動向が明確になり、日本では北米と比較し科学専門のイラストレーターの教育が遅れていることや、プロの活動が小規模で情報交換や社会への発信の場が少ないことなどが明らかになった。この成果は今後海外にも発信したい。
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Remarks |
雅楽堂は申請者が研究成果の還元のために運営しているサイトである。研究成果やそれに関連する情報を掲載している。
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Research Products
(3 results)