2014 Fiscal Year Annual Research Report
牛から分離される非O157志賀毒素産生性大腸菌の病原因子に関する分子遺伝学研究
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13J05234
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
李 謙一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所・細菌・寄生虫研究領域, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013 – 2015-03-31
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Keywords | 志賀毒素産生性大腸菌 / 牛 / 志賀毒素遺伝子 / インチミン遺伝子 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
志賀毒素産生性大腸菌(Shiga toxin-producing Escherichia coli : STEC)における強毒型菌の制御や診断法開発につながる病原因子や表現型を解明することを目的とし、平成25年度には全国の牛群から糞便を収集しSTECの分離を行った。今年度は分離したSTEC菌株について、血清型別、phylogenetic groupの同定、志賀毒素遺伝子(stx)型別、インチミン遺伝子(eae)などの病原因子の同定および薬剤感受性試験を行った。 分離株の血清型別の結果、43種のO血清群が同定された。このうち、人の食中毒起因菌として一般的な血清群の分布は次の通りであった : O26、5株 ; O103、2株 ; O157、2株 ; O121、1株 ; O145、1株。Phylogenetic groupでは、牛の常在大腸菌で分離頻度が高いAおよびB1が全体の9割以上を占めた。stx型は多様であり、stx1では1a(86.4%)、stx2では2a(64.7%)が最も多いサブタイプであった。病原因子の同定では、eaeはO157などの上記一般的STECの他にO108、O115、O150、O156で陽性であった。このうち、O108, O115, O156については、強毒型STECの指標の一つとされるstcEを保有しており、強毒株である可能性が示唆された。また、薬剤感受性試験の結果、46株(41.1%)が少なくとも一剤に対する耐性を有し、耐性頻度の高い薬剤はテトラサイクリン(31.5%)およびストレプトマイシン(24.5%)であった。以上の結果から、牛由来STECの病原因子保有状況は多様であり、O157をはじめとする強毒なSTECを保有することが示された。一方、phylogenetic groupおよび薬剤感受性試験の分布は牛の常在大腸菌と類似していることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度で廃止のため、記入しない
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度で廃止のため、記入しない
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