2013 Fiscal Year Annual Research Report
人間を模擬した歩行・走行運動が可能な2足ヒューマノイドロボットの開発
Project/Area Number |
13J05260
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大谷 拓也 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | ロボット / ヒューマノイドロボット / 歩行 / 走行 / 人体運動計測 / 骨盤 / 脚弾性 |
Research Abstract |
本研究では人間の走行運動に着目し, これまでに実現されていない2足ヒューマノイドロボットによる人間らしい歩行および走行運動の実現を目的とする. 本年度は, 人体運動計測に基づく走行モデル考案および制御アルゴリズムの構築, さらにはそれらの有効性を検証するためのシミュレータおよびプロトタイプロボットの開発を計画していた. 人間の走行時の特徴として, 立脚が圧縮コイルばねのように振る舞い, ばね質点系でモデル化できることが挙げられる. これは走行時の床反力と人間の重心位置の高さ変位が比例関係にあるためである. また, 立脚の関節の動きに注目すると膝・足関節はねじりばねでモデル化でき, これが脚全他のばね性に寄与している. これらは関節の腱などの弾性要素の他, 筋肉の伸縮も含めて関節としてばねのように動くことによる. また, 走行運動中の立脚の弾性は, 直動および回転弾性ともに走行速度に応じて変化する. また, 同大学スポーツ科学学術院の共同研究者とともに走行時の人体運動計測を行ったところ, 人間は前額面において骨盤を正弦波状に動かしており, その動きが跳躍の補助などへ寄与しているというこれまで発見されていなかった知見を得た. そこで, 従来の質点・脚ばねから成る走行モデルを基に, 新たに骨盤を組み合わせたSLIP^2(Spring Loaded Inverted Pendulum using Pelvis)モデルを構築した. このモデルにおいて, 立脚の膝・足関節を回転ばねとしてモデル化し, 骨盤の前額面の運動による共振を利用して, 跳躍力を得る. このモデルに基づき, 可動骨盤と脚関節の弾性を有する2脚ロボットのプロトタイプを製作し, 骨盤の動揺と脚弾性により跳躍運動を実現した. これにより, 歩行運動に比べ走行運動時に必要になる地面を蹴る力を骨盤と脚弾性により得られることを確認した. この結果より, 人間と同等の速度での走行の実現に近づき, また, 人間のスポーツ競技者に応用することで競技能力の向上も期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である人間の歩行・走行の模擬に関して, 人間の走行時の特徴を見出すための走行運動計測を行った. またこれにより人間の走行時の特徴である脚のばね性および骨盤の運動を見出し, これらを導入した新たなモデルを考案した. また, これらを検証するためのシミュレーション環境および2足ロボットを開発し, これらによる上記特徴の模擬に成功し, 実際に走行に寄与することを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
人間の歩行・走行の模擬を目指す上で, まずは人間の下半身に相当する2足ロボットを製作し, それによる跳躍運動を実現したため, そのエネルギーを利用した走行運動実験を進めていく. そのために, 人間の走行時の離地中の特徴である, 地面との接触を防ぐための膝の素早い屈伸動作などが可能なようにロボットの脚部を改良する. また, 歩行・走行の両立を目指すために, 同じモデルによる歩行運動の実現可能性の検証も進める. この検証には, まずこれまでに開発した物理シミュレータによるシミュレーション環境を用いる.
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Hopping Robot using Pelvic Movement and Leg Joints Elasticity2014
Author(s)
Takuya Otani, Kazuhiro Uryu, Masaaki Yahara, Akihiro Iizuka, Shinya Hamamoto, Shunsuke Miyamae, Kenji Hashimoto, Matthieu Destephe, Masanori Sakaguchi, Yasuo Kawakami, Hun-ok Lim and Atsuo Takanishi
Organizer
20th CISM-IFToMM Symposium on Robot Design, Dynamics and Control(査読あり)
Place of Presentation
Moscow
Year and Date
2014-06-24
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[Presentation] 骨盤運動に着目した2足走行ロボットの開発(第5報 : 人間の骨盤動揺と多関節脚の関節弾性を模擬した跳躍ロボット)2014
Author(s)
大谷拓也, 八原昌亨, 瓜生和寛, 飯塚晃弘, 濱元伸也, 宮前俊介, 橋本健二, 阪口正律, 川上泰雄, 林 憲玉, 高西淳夫
Organizer
日本IFToMM会議シンポジウム前刷集(第20回)
Place of Presentation
東京都
Year and Date
2014-05-24
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[Presentation] 骨盤運動に着目した2足走行ロボットの開発(第3報 : 板ばねを用いた弾性可変機構を持つ回転関節脚)2013
Author(s)
瓜生 和寛, 大谷 拓也, 八原 昌亨, 飯塚晃弘, 濱元伸也, デステフ・マチュー, 橋本健二, 保原浩明, 阪口正律, 川上 泰雄, 林 憲玉, 高西淳夫
Organizer
日本ロボット学会第31回学術講演会
Place of Presentation
東京都
Year and Date
2013-09-04
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[Presentation] 骨盤運動に着目した2足走行ロボットの開発(第2報 : 骨盤運動と脚弾性を活用した跳躍運動の実現)2013
Author(s)
八原昌亨, 大谷拓也, 瓜生和寛, 飯塚晃弘, 岸竜弘, 遠藤信綱, 橋本健二, 阪口 正律, 川上 泰雄, 林 憲玉, 高西淳夫
Organizer
日本IFToMM会議シンポジウム前刷集(第19回)
Place of Presentation
東京都
Year and Date
2013-06-15
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[Patent(Industrial Property Rights)] 2足走行ロボットの移動制御システム2013
Inventor(s)
高西, 川上, 橋本, 阪口, 大谷, 飯塚
Industrial Property Rights Holder
高西, 川上, 橋本, 阪口, 大谷, 飯塚
Industrial Property Rights Type
特許、特願2013-217666
Industrial Property Number
2013-217666
Filing Date
2013-11-18