2013 Fiscal Year Annual Research Report
Si基板上への窒化物半導体の選択MOVPE成長及びその光デバイス応用に関する研究
Project/Area Number |
13J05262
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
光成 正 名古屋大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 窒化物半導体 / 選択成長 / 有機金属気相成長 |
Research Abstract |
Si基板上の高外部量子効率光デバイス作製を目指して、光取り出し効率と内部量子効率それぞれに対してアプローチを行った。前半部では光取り出し効率向上に向けてSi基板上への選択パターニング上にGaN/AlNを積層し、その後水素アンモニア雰囲気下でアニールすることでGaNのみを分解する方法でAlN/空気積層構造を作製し、高反射率プラグ型ミラーとしての可能性を検討した。その結果、シミュレーション値より低いものの4ペア以上の積層で80%を超える反射率が得られることが分かった。このAlN倥気積層上にGaN下地構造および量子井戸構造を作製し、AlN/空気積層構造を導入することによってInGaN/GaN量子井戸構造の発光強度の向上を確認した。また、同様の方法で、数10nmの厚みを持つ殻状のAlN構造をSi基板上に選択的に成長し、AlN上に数100nm程度の薄いGaNディスク構造を作製した。共同研究先である台湾国立交通大学のグループに2か月間の短期留学を行い、このGaNディスクの光学特性の評価を行った。室温における強励起PL測定を異なるディスク径試料において行い、誘導放出を観測した。この誘導放出に関してディスク径が大きい試料ほど利得が大きく、また光閉じ込めも大きくなることを有限要素法による3次元キャビティ内での固有振動数および安定モードの解析との対応より結論付けた。またこのような3次元キャビティにおいても計算上はウィスパリングギャラリーモードが安定に存在しうるということが分かった。 内部量子効率の向上に関してはSi(111)基板上でAlN中間層のスパッタリング成膜条件の最適化を行い、通常のMOVPEAIN中間層と比べ低転位なGaNが得られることが分かった。また、Si(001)基板上のスパッタリングによるAIN成膜において初期配向層にTiを用いることで単-c軸配向したGaN膜が得られた。また、選択成長法を用いてSi(001)基板上に単一配向したGaN結晶島が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AlN中間層の最適化に関してはスパッタリング成膜における初期配向層の重要性と金属の結晶化しやすい特徴を利用することに着眼し、配向性の向上に成功した。またGaNとAlNの熱分解温度の違いを利用して結晶成長により、ディスク構造を作製し、異なるサイズのものに関して室温で誘導放出を確認した。DBRに関してはこれまでに得られたAlGaN/GaNの熱分解速度の異方性の知見を生かしてSi基板上で作製を行っており、90%以上の反射率が得られることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
Si(001)基板上に最適化したAlN中間層を導入したうえで高いQ値の発光デバイスの実現を目指す。また、Si(111)基板上にDBRを作製し量子井戸構造を含むnp型接合成長およびプロセスを行い、高い外部量子効率を持つ光デバイス作製し、電気的特性を評価する。
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Research Products
(4 results)