2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経系再生における軸索ガイダンス分子CRMPの機能解明
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13J05321
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長井 淳 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経再生 / 神経成長因子 / コンドロイチン硫酸プロテオグリカン / 微小管 / CRMP |
Outline of Annual Research Achievements |
CRMP2は非リン酸化状態で微小管の重合を促し、神経伸長を助けるタンパク質であるが、リン酸化を受けると、微小管との結合能が低下し、神経伸長抑制に繋がることが知られている。まず我々は、損傷した脊髄においてCRMP2リン酸化が上昇していることを確認した。CRMP2のリン酸化を遺伝学的に喪失させたCRMP2KIマウスでは脊髄損傷後1-4週間において、運動・感覚機能の回復が認められた。脊髄の凍結切片を用いた免疫染色により、CRMP2KIマウスの損傷脊髄においては、軸索再生が促進されていること、軸索内の微小管が安定化されていることが見出だされた。次に、CRMP2KIマウス由来の後根神経節細胞(DRG)を用いて培養系実験を行った。コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)をコートしたdish上に野性型マウス由来DRGを培養すると、神経突起の退縮が観察された。これに対し、CRMP2KI DRG神経細胞はCSPGコートdish上でも神経突起の長さは野性型に比べ有意に長かった。これはCRMP2リン酸化阻害がCSPGの軸索進展阻害作用を弱めることを示唆する。さらに、神経栄養因子であるbrain-derived neurotrophic factor(BDNF)を培養した野性型・CRMP2KI DRG神経細胞に投与したところ、CRMP2KI DRG神経細胞が有意に高いBDNF反応性を示した。CRMP2KI培養DRG神経細胞の軸索末端では、BDNFの受容体であるTrkBが多く発現し、成長因子に対する反応性を上昇させていることが確認された。CRMP2リン酸化阻害は阻害因子を抑制し、成長因子の反応性を上げることが出来るユニークな方法であるということが示された。CRMPは精髄損傷の治療標的になりうるということを示唆し、神経再生医療の開発に貢献することが期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)