2013 Fiscal Year Annual Research Report
自己蛋白の発現コントロールによる安全・簡便・効果的な骨増成法の新規開発
Project/Area Number |
13J05404
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
北見 恩美 新潟大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Heat Shock Protein27 / 細胞移植 / 骨芽細胞 / アポトーシス / 骨増成 |
Research Abstract |
本研究の目的は移植骨芽細胞の生着と骨増生への寄与を明らかにするとともに、抗アポトーシスタンパク質HSP27が移植骨芽細胞の生着、分化および石灰化に及ぼす影響を解析し、より安全・簡便・効果的な骨増生法を開発することである。 マウス頭蓋冠由来骨芽細胞株(MC3T3-E1)に一過性過剰発現ベクター(pCMV-SPORT6-HSP27)を遺伝子導入し、HSP27一過性過剰発現骨芽細胞の細胞増殖能、骨芽細胞分化能、石灰化能および抗アポトーシス能への影響を解析した。HSP27の過剰発現により細胞増殖能に変化は認められなかったが、骨芽細胞関連遺伝子であるCbfal/Runx2発現は上昇したのに対し、Alp1発現は減少した。 さらにHSP27の骨芽細胞における抗アポトーシス作用を解析するため、HSP27一過性過剰発現骨芽細胞にTNF-αまたはH_20_2を添加しアポトーシスを誘導し、TUNEL染色にて検出を行った。HSP27過剰発現によってアポトーシスの抑制が見られた。 HSP27過剰発現の移植骨芽細胞への影響を明らかにするために、ラット頭蓋骨欠損部細胞移植実験モデルを用いてHSP27一過性過剰発現骨芽細胞移植実験を行った。HSP27過剰発現細胞では細胞活性を示すPCNA陽性細胞率が移植後7日で有意に上昇し、アポトーシスを示すTUNEL陽性細胞率は移植後3、7日後において有意に抑制されていた。さらに長期の欠損部骨治癒への影響を観察するため、4、6週後に行ったμCT解析を行った。4、6週共に新生骨量にHSP27一過性過剰発現の影響は認められなかった。 初期のアポトーシスが抑制されたにも関わらず長期の骨治癒に影響が見られなかったことから、移植細胞が骨形成を行う骨芽細胞、骨細胞の供給源でない可能性も考えられることから、移植細胞を同定できる実験系を用いた移植細胞のより詳細な挙動を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HSP27一過性過剰発現・骨芽細胞の抗アポトーシス能、石灰化能への影響の解析はほぼ完了している。ラットを用いた細胞移植実験においてもHSP27一過性過剰発現の移植細胞に及ぼす影響の検討は順調に進展しており、さらに移植細胞の詳細な挙動を観察している。
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Strategy for Future Research Activity |
初期のアポトーシスが抑制されたにも関わらず長期の骨治癒に影響が見られなかったことから、移植細胞が骨形成を行う骨芽細胞、骨細胞の供給源でない可能性も考えられることから、移植細胞を同定できる実験系を用いた移植細胞のより詳細な挙動を解析する予定である。
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Research Products
(17 results)