2013 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザに情動を与える文の自動生成に関する研究 ~キャッチコピーを例として~
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13J05423
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山根 宏彰 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | キャッチコピー / 嗜好性 / SNS / オクシモロン |
Research Abstract |
情動を与える文の分析・生成のためにキャッチコピーを題材として研究を行った。今年度は応用を目指し実社会のデータを用いた生成を目標とした。具体的には、1. SNSサイトからのよりユーザに好まれる単語の取得2. そのキャッチコピーへの応用を行った。 1. 代表的SNSであるFacebookにおける企業の投稿に対するユーザの嗜好に基づき好まれる単語の推測を行った。投稿記事においてbag-of-wordsモデルを用い、単語に対して嗜好の度合いを振り分け、投稿文書に対する嗜好度合いを推定する。このことにより投稿における単語と嗜好の間には、相関があることが見出された。この結果を査読有り国際会議であるWeb Intelligence2013等にて発表した。 2. 1.を基に、ウェブ上におけるユーザの嗜好を反映させたキャッチコピー生成システムを提案した。最大の特徴はSNSファンページ上の投稿を知識源として、キャッチコピーの生成、選択に利用することである。提案システムは、企業等が宣伝を行っている投稿記事を反映させたキャッチコピー生成を目的としている。まず、SNS上の投稿がシステムに入力される。投稿内容のカテゴリ知識及び膨大量のキャッチコピーをモデルとして利用することにより、候補生成を行う。候補選択においては、大規模均衡コーパスを用いた文の自然さ、キャッチコピーコーパスを用いた意味的関連性、1.で得られたSNSから取得した嗜好情報を用い選択を行った。評価実験により、投稿に対する嗜好度合いを単語レベルで考慮することにより、人手選択に近いレベルで興味を引くキャッチコピー選択が可能となった。この成果を「第40回あいまいと感性研究部会」で発表した。 また、注意を引く表現として矛盾のある単語の組み合わせであるオクシモロンについて研究を行い、査読有り国際会議であるISIS2013等で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、最終的なキャッチコピーの生成システムを論文誌に投稿し、博士論文までまとめ上げることを目標としていた。しかしながら、現状でキャッチコピー生成システムの論文をまとめている最中であり、博士論文まで手が及ばなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きキャッチコピー生成システムの向上を目指す。具体的には、生成されるキャッチコピーの質の向上、またより洗練されたキャッチコピー評価手法の構築を目指す。 前年度の研究により、SNSデータを用いたキャッチコピー生成を試みた。更にWeb上のユーザの口コミ情報を用いることにより高品質なキャッチコピーの生成を目指す。 また、キャッチコピーの効果測定方法を洗練させるため、主観評価以外にも行える実験について検討を行う。以上により、研究題目である「ユーザに情動を与える文」に対してより深化したアプローチが出来ると考えている。
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Research Products
(8 results)