2013 Fiscal Year Annual Research Report
本態性振戦患者のふるえを抑制する空気圧アクチュエータを用いた装着型ロボットの開発
Project/Area Number |
13J05428
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松本 侑也 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 装着型ロボット / ソフトアクチュエータ / 本態性振戦 / 日常生活支援 |
Research Abstract |
本研究では、柔軟なアクチュエータを用いて本態性振戦患者のふるえを抑制する装着型ロボットの開発に向け、以下の3つの大きな技術課題を設定しており、初年度はそれぞれの技術課題に関して、以下のような成果が得られた。 技術課題①人体の形状に沿わせた柔軟なアクチュエータを用いて関節を拘束する技術 : 本技術課題においては、ふるえを効果的に抑制するために、人体のどの部位を拘束することが有効であるかを明らかにする必要がある。拘束部位を検討するためには、硬さや痛みの感じ方や神経走行といった人体の特徴分布を明らかにする必要があり、初年度は、人体の粘性分布を明らかにした。 技術課題②ふるえの強度に応じて拘束の強さを調整する技術 : 患者は常時ふるえているのではなく、また、ふるえの強度は患者の緊張状態などに左右されるため、患者の症状に応じて、人体の拘束強度を調整できることが望ましい。本課題は第二年度から検討を行う予定であるため、初年度はふるえの専門医を交えた実験プロトコルの検討を行った。 技術課題③動作意図に基づいて関節を拘束すべきタイミングを判断する技術 : 本技術課題では、提案する装着型ロボットを装着者の意図通りに駆動するための制御アルゴリズムを検討する。初年度は、一般に動作推定に用いられてきた表面筋電位(以下、筋電)の信号としての長所短所を踏まえ、短所を補う新たな信号を加えた信号処理の検討を開始した。そして、筋肉の収縮に伴い皮膚表面上から観察可能な筋肉の隆起状態と関節角度の対応関係を関数化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、各技術課題に対して各々進展が見られた。技術課題①では人体の特性分布の一つとして、粘性分布を取得することができた。技術課題②では、実験プロトコルを整え、次年度からの実験開始に向け、準備を進めた。技術課題③では、筋電の短所を補うべく、新しい入力信号を検討し、筋隆起位置をパラメータとする手法を提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
第二年度は、以下の通り、研究を推進する。 技術課題① : 痛み分布計測機を用いて、人体の痛みの感じ方分布を取得する。さらに、複数の特性分布を考慮し、拘束するべき部位の検討を進める。 技術課題② : 人体に対して、指圧のように押し込む負荷や、人体を締め付ける負荷を与えた際のふるえの強度の変化を、倫理委員会の承認を得た上で、実験により計測する。 技術課題③ : 筋電と筋隆起位置の両者を組み合わせた制御アルゴリズムを構築する。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] ふるえ抑制ロポットにおける効果的にふるえを抑制可能なフレーム形状の工学的検討2013
Author(s)
松本侑也, 陳瑋煒, 雨宮元之, 金石大佑, 中島康貴, 關雅俊, 安藤健, 小林洋, 飯島浩, 長岡正範, 藤江正克
Organizer
第14回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2013)
Place of Presentation
神戸コンベンションセンター
Year and Date
2013-12-20
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[Presentation] ふるえを抑制する装着型ロボットのフレーム形状の工学的検討2013
Author(s)
松本侑也, 陳瑋煒, 雨宮元之, 金石大佑, 中島康貴, 關雅俊, 安藤健, 小林洋, 飯島浩, 長岡正範, 藤江正克
Organizer
生活生命支援医療福祉工学系学会連合大会(LIFE2013)
Place of Presentation
山梨大学
Year and Date
2013-09-04