2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J05451
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北村 真紀 九州大学, 芸術工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コンピュータグラフィックス / アニメーション / 2.5次元モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は異なる視点から描かれた2枚の静止画のキャラクタのイラストを用いて、そのキャラクタに動きを与えるための研究を行い、国際論文誌、国内会議で発表を行った。具体的には、2.5次元モデルというものを用いてキャラクタに動きを与える。2.5次元モデルとは変形するビルボードを奥行き方向に重ねたモデルであり、2視点の間のキャラクタの見え方を、奥行きを考慮して表現できるモデルである。手描きのイラストは正確な3次元構造を考慮して描かれていないことが多く、イラストを3次元モデルにするときに矛盾が生じ3次元モデリングが困難な場合があるが、2.5次元モデルはこのような3次元モデリングが困難な形状でもモデリングを行うことができ、3次元空間での操作を可能としている。本研究では手描きのイラストを用いて2.5次元モデリングを行うためのワークフローの提案とそれを実現するシステムの開発を行った。具体的なワークフローは次の通りである。まず、ユーザは異なる視点から描かれた2枚のキャラクタのイラストとそれが描かれた向きを入力する。次に、システムは入力となるイラストを目や口などの閉領域に分割し、目と目、口と口といったようなイラスト間での閉領域の対応付けを自動で行う。対応付けには閉領域の類似度を用いる。閉領域の色や面積、位置を考慮して閉領域間の類似度を計算し、類似度が最も高いものを対応付ける。そして、対応付けられた閉領域の3次元空間での位置を推定する。その後、各閉領域の輪郭線を対応付ける。このようにして2.5次元モデルが生成される。2.5次元モデルは3次元空間に存在し、視点に応じてビルボードの形状を変形させることで、3次元空間での見た目の変化が実現でき、3次元空間での操作が可能となる。本手法では、既存の手描きのイラストを入力とすることで、既存手法に比べ2.5次元モデルの作成を容易にすることも可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を国際論文誌および国内会議で発表することができ、また国内会議では優秀研究発表賞を受賞できたことから研究は順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
静止画に動きを与えるための手法として2.5次元モデリングワークフローを提案したため、今後は2.5次元モデルをより効率よく作成できるような手法の研究を行う。現在のシステムでは、入力となるイラストに遮蔽部分がある場合、遮蔽された領域をユーザが補完する必要があり、その作業に手間が生じてしまっている。そこで、この手間を軽減するために遮蔽された部分の推定を行えるような手法の開発を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)