2013 Fiscal Year Annual Research Report
最適テスト法とそのe-learningシステムへの実装
Project/Area Number |
13J05474
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
作村 建紀 九州工業大学, 大学院情報工学府, 特別研究員(DC2) (50735389)
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Keywords | 能力評価 / 項目反応理論 / 最適配点 / 適応型試験 / 信頼性工学 / 最滴出題法 / 不完全データ / キャリブレーション |
Research Abstract |
まず、項目反誌理論(IRT)による能力評価の合理性を追求するために、伝統的な配点方式による評価との関連性について研究し、その成果を論文発表した。配点方式では配点への依存が強く公正な評価が難しい。一方、IRTでは試験の正誤答をもとに能力推定するため、回答結果にもとついた公正な評価が可能となる。そこで、IRT評価値に配点方式の評価値を近似させることで、最適な配点を見つけることを試みた。その結果、試験作成者が合格率を上げたいときに低水準な受験者を実際よりも高評価し、また易しい項目ほど高配点となる傾向を定量的に明らかにした。 次に、回答時間と能力評価の関係について検証を試み、その成果を口頭発表した。オンライン学習にIRTを組み合わせることで受験者に合わせた項目を出題する適応型試験を実施できる。そこで、適応型試験システムを構築し、現実の学生に剥して試験を実施し、能力評価と同時に回答時間の計測を行った。その結果、能力と回答時間の関係性は問題によって異なることが分かった。 さらに、適応型試験では、試験開始直後は能力推定値のばらつきが大きいため、適切な項目が出題されにくい性質がある。そこで、信頼性工学分野で用いられる昇降法に着目し、従来方式と組み合わせた出題法によって、より高精度な推定力可能になることをシミュレーションによって確かめ、その成果を口頭発表した。これは教育工学に信頼性工学の知見を活力す試みである。 また、適応型試験では、出題項目の特性値を事前試験によって推定しておく必要があるが、受験者増加に伴い、項目特性をキャリブレーションする必要が出てくる。しかし、適応型試験では受験者一人ひとりの回答項目が異なり、従来のIRT評価は困難である。そこで、欠損を含む不完全データに対する評価法を提案した。これは、準備コストを大幅に減らす可能性を秘めている。この内容は論文誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(18 results)