2014 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴トンネル素子をテラヘルツ波源とした無線通信へ向けた予測性能の包括的理論解析
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13J05516
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
浅川 澄人 首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | テラヘルツ発振器 / 共鳴トンネルダイオード / 広帯域アンテナ集積構造 / 周波数コム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、化合物半導体共鳴トンネルダイオード(RTD)と広帯域アンテナの一種である自己補対ボウタイアンテナを集積一体化したテラヘルツ発振器に関して、(1)実機作成・検証に向けた研究、(2)発振器安定性評価のための解析手法の検討、の2点を行った。 (1)に関しては、自己補対ボウタイアンテナ集積RTD発振器の電源バイアス側回路のデバイス構造設計・等価回路同定・発振特性への影響評価・放射特性評価を行った。バイアス側回路はマイクロストリップ線路および薄膜抵抗により電磁気学的に設計し、電磁界シミュレーターにより周波数特性を解析、フィッティングにより等価回路同定を行った。結果として、発振・変調特性を悪化させないバイアス側回路構造を設計できた。またバイアス側回路構造によって放射指向性や広帯域性を向上可能であることも明らかにした。 (2)に関しては、バイアス側回路を含めた発振器の等価回路から、ポテンシャル関数を定義し、その形状や、発振動作・変調時のポテンシャル内軌跡を検証した。変調方式はOOK(On Off Keying)を用い、発振器に印加するバイアス電圧を変化させる直接変調を変調周波数50GHzで解析を行った。結果として、Off状態の電圧がOn状態の電圧から離れていると、ポテンシャル内の位置が離れてしまい、On状態へ至る為に時間を用してしまうことが明らかとなった。またこの現象は発振器の動作モードが単一周期発振モード時に近い方が顕著であり、発振器の変調特性に大きな影響を与えることが予想される。 今後は、自己補対ボウタイアンテナ集積RTD発振器の実機作成を目指し、周波数コム特性の実測検証を行う。また、RTD発振器はRTDの非線形特性を積極的に利用したデバイスであるため、この非線形性と発振特性との間の関係性を明らかにし、実用化のための設計手法確立を目指す。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)