2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J05561
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蛭子 はるか 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / 神経発生 |
Research Abstract |
脳神経系の構築の中でも神経核構造に着目し、マウス視床をモデルとして神経核のパターン形成の分子メカニズムを解析している。具体的にはこれまでに、予定視床領域で転写因子Foxp2の発現量が前後軸方向に勾配を持つこと、また機能不全型のFoxp2を発現するFQxp2 (R552H)ノックインマウスを用いて、Foxp2の発現依存的に予定視床領域は後外側視床亜核群へと分化すること、即ちFoxp2が視床パターン形成を制御することを示してきた。そこで、平成25年度の研究では、視床パターン形成におけるFoxp2の十分性と視床自律性の検討、Foxp2の発現を制御する上流因子の探索、Foxp2によって発現が制御される下流因子の探索を進めた。 まずは、上流因子の探索において、候補遺伝子のコンストラクトを入手し子宮内電気穿孔法を用いて候補遺伝子の発現操作を行った。その結果、Foxp2の発現を抑制する上流因子としてFGFを見出した。 次に、下流因子の探索において、in situ hybridization法を用いた予定視床領域での発現パターン解析で候補遺伝子の数を絞り、Foxp2 (R552H)ノックインマウスでの候補遺伝子の発現パターンを解析した。その結果、Foxp2によって発現が亢進される下流因子EphA7, EphA4を見出した。 最後に、視床自律性の解析を進めるために、shRNAコンストラストを作成した。HEK293細胞および子宮内電気穿孔法を用いてshRNAのFoxp2発現抑制効率の検討を行ったところ、shRNAはin vitro, in vivoの両方で十分なFoxp2の発現抑制機能を持っていた。そこで、胎生11.5日齢で予定視床領域でFoxp2の機能抑制を行い、in situ hybridization法で視床亜核マーカーの発現変化を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度で、予定視床領域におけるFoxp2の発現制御を行う上流因子FGFとFoxp2によって発現制御される下流因子EphA7, EphA4を新規に見出した。この一年で、視床パターン形成におけるFoxp2の役割への理解は確実に深まっており、論文としてまとめられる状況になりつつあるから。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き子宮内電気穿孔法を用いて視床パターン形成におけるFoxp2の十分性と視床自律性を検討する。その後、Foxp2 (R552H)ノックインマウスの神経回路の解析結果と共に論文投稿予定である。アクセプトされ次第、Foxp2 (R552H)ノックインマウス野生型と変異型の遺伝子発現を比較し、前側視床亜核および後側視床亜核の運命決定を司るマスター遺伝子を探索したい。具体的には、DNA chipを用いて視床パターン形成時期での視床における遺伝子発現を比較し、変異型で発現変化があった遺伝子群の中から分化運命を制御しうる転写因子に絞って解析する。
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