2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図と近赤外線分光法を用いた顔認知発達の神経基盤の解明:人種効果を用いて
Project/Area Number |
13J05738
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小林 恵 生理学研究所, 統合生理研究系, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 顔認知 / 発達 / 人種効果 / ニューロイメージング |
Research Abstract |
本研究では, 近赤外線分光法(MRS)と脳磁図(MEG)を用いて乳児・幼児・学童・成人の脳活動を計測することで, 顔認知能力の素地が発現する乳児期から複雑かつ洗練された顔認知能力を有する成人期までの顔認知能力の発達の神経基盤を明らかにすることを目的とする。特に, ヒトの顔認知能力の発達が乳児期から10歳頃まで持続することを示す現象の1つである「顔の人種効果(other-race effect)」に焦点を当て, 顔認知能力の長期的な発達と脳機能の発達との関係を解明する。 平成25年度は、研究内容1および2に用いる顔刺激の作成および、顔刺激の魅力(attractiveness)と示差性(distinctiveness)を統制するため成人を対象とした評定実験を実施した。また、中央大学にて、生後5ヶ月児・9ヶ月児を対象に自人種顔と他人種顔に対する脳活動を計測する近赤外分光法(NIRS)実験を開始した。 その他、日本赤ちゃん学会第13回学術集会・日本心理学会にて口頭発表を行った他、British Psychological Society Development and Cognitive Section基礎心理学会第32回大会にてポスターの研究発表を行った。2014年2月には、イギリスBournemouth大学のChang Hong Liu教授の研究室に11日間滞在し、研究室見学および研究計画の打ち合わせを行った。 また、昨年度まで実施していた研究について、英語論文にまとめ投稿を行った。この研究は、顔の内部特徴の変化(例 : 表情変化)を超えて顔から人物を同定する能力が生後7ヶ月頃に発達することを示すものである。現在この論文は査読・修正中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の当初の計画通り、実験に用いる顔刺激の作成および成人を対象とした評定実験を終了し、中央大学にて乳児の脳活動計測実験を開始したことから、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、脳磁図と近赤外線分光法を用い、人種効果という現象から乳児期~成人期までの顔認知発達の基盤を検討するものである。平成26年度は、平成25年度に開始した乳児を対象とした近赤外線分光法による脳活動計測実験を引き続き行う予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Presentation] Cross-cultural evidence of perceptual narrowing toward adult faces in 3-and 9-month-old infants.2013
Author(s)
Proietti, V., Kobayashi, M., Quadrelli, E., Bulf, H., Kanazawa, S., Yamaguchi, M. K. & Macchi Cassia. V.
Organizer
Joint Cognitive Psychology Section & Developmental Psychology Section Annual Conference 2013
Place of Presentation
Reading, UK
Year and Date
20130904-06
-