2013 Fiscal Year Annual Research Report
高精度形状可変ミラーを用いた走査透過型X線顕微鏡の開発
Project/Area Number |
13J05746
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中森 紘基 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | X線光学 / X線ミラー / 補償光学 |
Research Abstract |
1. 大変形・高精度形状可変ミラーの開発 これまでに長さ100㎜, 厚さ5㎜の合成石英基板の両面に, 圧電素子を接着した構造の形状可変ミラーを開発し, 最大変形量5㎛, 変形精度2㎚PVの性能を達成していた. 今年度は, さらなる大変形が可能な形状可変ミラーの開発を目指して, これまでの構造を見直し, 圧電素子2枚を接着したバイモルフ構造の両面に0.5㎜という極薄の合成石英基板を接着した, バイモルフ形状可変ミラーを開発した. この新型形状可変ミラーにおいてFEMシミュレーションを行った結果, 最大変形量100㎛という大変形が可能であることがわかった. また, 実際に圧電素子と合成石英基板を接着して形状可変ミラーを作製した. 2. 二次元アダプティブ集光光学系の構築 2枚の形状可変ミラーを用いた二次元アダプティブ集光光学系(開発目標である4枚の形状可変ミラーによる集光システムの1段目)を構築し, SPring-8において集光実験および波面補償による形状可変ミラーの形状制御実験を行った. まず, これを遂行するために, 形状可変ミラーを高精度にアライメントできるミラーマニピュレータの開発を行った. ミラーマニピュレータを設計するためには, 許容できるアライメント誤差を知る必要がある. そこで, コンピュータシミュレーションによる波動光学計算を行い, 必要な許容アライメント誤差を検討した. 得られた結果に基づきミラーマニピュレータの設計, 作製を行った. 開発した形状可変ミラー, ミラーマニピュレータを用い, SPring-8 BL29XULにおいて集光実験を行った結果, 水平方向において半値幅65㎚, 垂直方向において半値幅110㎚の二次元集光に成功した(図1,2). この成果は, 形状可変ミラーを用いたX線二次元集光では, 世界最小となる集光径であり, すでに論文を投稿済みである. また, 2枚の形状可変ミラーを用いた水平方向集光のみの一次元二段集光実験を行った. その結果, 最終焦点において90㎚の回折限界集光を達成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画である, 大変形・高精度形状可変ミラーの開発および二次元アダプティブ集光光学系の構築に加えて, 一次元二段アダプティブ集光光学系の構築についても行い, 次年度に行う予定である二次元二段集光実験に向けて, ノウハウの蓄積や課題の抽出を行うことができ, 二段アダプティブ集光光学系の構築に向けて, 有用な知見が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
4枚の形状可変ミラーを用いた, 二段アダプティブ集光光学系の構築を行い, SPring-8においてX線集光実験を行う. また光学系の集光径可変機能を用い, 異なる集光X線によるサンプルの計測を行う.
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] アダプティブ集光光学系のための高精度形状可変ミラーの開発2014
Author(s)
H. Nakamori, S. Matsuyama, S. Imai, T. Goto, T. Kimura, Y. Sano, Y. Kohmura, K. Tamasaku, M. Yabashi, T. Ishikawa, K. Yamauchi
Organizer
International Workshop on Atomically Controlled Fa brication Technology
Place of Presentation
Osaka
Year and Date
2014-02-05
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[Presentation] Two-dimensional X-ray nanofocusing using piezoelectric deformable mirrors2013
Author(s)
H. Nakamori, S. Matsuyama, S. Imai, T. Goto, T. Kimura, Y. Sano, Y. Kohmura, K. Tamasaku, M. Yabashi, T. Ishikawa, K. Yamauchi
Organizer
The 12th symposium on X-ray Imaging Optics
Place of Presentation
Osaka
Year and Date
2013-11-18
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[Presentation] Development of ultra-precise piezoelectric deformable mirrors for x-ray nanofocusing2013
Author(s)
H. Nakamori, S. Matsuyama, S. Imai, T. Goto, T. Kimura, Y. Sano, Y. Kohmura, K. Tamasaku, M. Yabashi, T. Ishikawa, K. Yamauchi
Organizer
SPIE Optics+Photonics
Place of Presentation
San Diego, United States
Year and Date
2013-08-26