2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J05841
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
庵原 亜青子 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | C. elegans / コレステロール / 寿命 |
Research Abstract |
コレステロールは生体膜の構成成分やステロイドホルモンの前駆体として働くなど、様々な生命現象に関わる分子である。我々ヒトにおいて、血中コレステロール値は寿命に影響を与えることが知られているが、コレステロールが老化そのものを制御する分子メカニズムはほとんど分かっていない。本研究は、線虫C. elegansを用いてコレステロールが寿命に与える影響と、寿命を制御する分子メカニズムを解明することを目的としている。食餌制限による寿命延長は酵母から哺乳類に至る様々な生物において起こることが知られている重要な現象である。私は本年度の研究において、線虫の寿命の測定を行い、コレステロールの有無が自由摂食時の寿命、および食餌制限下における寿命にどのような影響を与えるかを調べた。次に、この関係性がどのような分子メカニズムによるものであるかを解明するために、コレステロール有り・無しのそれぞれの条件で、自由摂食時と飢餓時の線虫のRNAを抽出し、マイクロアレイを用いてそれぞれのサンプルの遺伝子発現を比較した。その結果、コレステロールの有無がどのような遺伝子の発現に影響を与えるかを明らかにした。また、このマイクロアレイの結果をもとにプロモーター解析を行い、コレステロールがどのような転写因子を制御するかを調べた。さらに、この転写園子の変異体の線虫の寿命を測定し、コレステロールの有無で寿命にどのような影響が生じるかを調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コレステロールが自由摂食時と飢餓時の寿命にどのような影響を及ぼすかについて明らかにし、さらにマイクロアレイによる解析から、コレステロールによる寿命制御機構の分子メカニズムの一端を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度に行ったマイクロアレイの解析結果をもとに、コレステロールが寿命を制御する分子メカニズムについて、変異体を用いた寿命測定や、顕微鏡による蛍光観察などを行い、より詳細に調べる予定である。
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