2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J05883
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植木 紘史 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HMGB1 / IRF / Dectin-1 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体からがんの排除の課程において免疫系の働きが重要であり、その活性化にはインターフェロン(Interferon;IFN)や炎症性サイトカインが重要であることが報告されています。しかしながら、免疫応答に伴う炎症反応が、どうしてがんの増殖の促進に繋がってしまうのか、また、がん環境下において、免疫系の活性化に必須であるIFNがどのように制御されているのか、その詳細には不明な点が数多く残されています。そこで、私は、炎症性サイトカインとして報告されており、炎症性疾患やがんとの関係が示唆されているHigh mobility group box 1(HMGB1)について、炎症応答・発がんにおけるその役割について解析を行いました。方法として、Hmgb1遺伝子欠損マウスは致死性であるため、我々の研究室において新規に作成したHmgb1 cKOマウスを用いて、その生理的役割について検討しました。これまでの解析から、マクロファージにおいてHMGB1を欠損させたマウスでは、尾静脈から投与した悪性黒色腫細胞が、全身のリンパ節に転移することを示し、HMGB1が個体レベルにおいて腫瘍を抑制する機能を持つことを明らかとしました。また、同時に、がんの排除に重要であることが報告されているIFNの誘導に関与するインターフェロン調節因子5(IFN regulatory factor 5; IRF5)にも着目し、IRF5を欠損させたマウスを用いた解析から、IRF5ががんの排除に重要であることを明らかとしました。さらに、マクロファージや樹状細胞において自然免疫受容体Dectin-1ががん細胞表面上のN型糖鎖を認識することで、その下流においてIRF5を活性化させ膜分子の発現誘導を介することで、NK(natural killer)細胞のがん細胞傷害活性を亢進させることを明らかとしました。これらの知見は自然免疫受容体の抗腫瘍免疫応答における重要性を初めて示すものであり、がん免疫の研究に新たな展開をもたらす可能性が考えられ、eLife誌に筆頭著者として報告しました。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Recognition of tumor cells by Dectin-1 orchestrates innate immune cells for anti-tumor responses2014
Author(s)
S. Chiba†, H. kushima†, H. Ueki†, H. Yanai, Y. Kimura, S. Hangai, J. Nishio, H. Negishi, T. Tamura, S. Saijo, Y. Iwakura, T. Taniguchi (†These authors contributed equally to this work and are listed in alphabetical order)
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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