2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格相互結合タンパク質ACF7の興奮性シナプス後部における機能解析
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13J05897
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柏木 有太郎 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シナプス / 細胞骨格 |
Research Abstract |
樹状突起スパインにはシナプス後肥厚部(PSD)や細胞骨格が存在し、これらが互いに作用しあうことで興奮性シナプスの機能を調節している。アクチンはスパインの形態を直接的に制御し、またPSDタンパク質の足場となる重要な細胞骨格である。もう一つの主要な細胞骨格である微小管は、その先端が一部のスパインに一過的に侵入することで興奮性シナプスの発達を促進すると言われている。しかしスパインへ侵入する微小管とシナプスの発達を結びつける分子メカニズムはよく分かっていない。 申請者はこれまでの研究で、細胞骨格相互結合タンパク質であるACF7が興奮性シナプスの発達を制御することを明らかにしてきた。この結果を更に発展させ、ACF7がスパインの形態を制御する分子メカニズムの解明を目指している。スパインにおいてもACF7が微小管とアクチンの相互作用を制御するかを検証するために、全反射顕微鏡を用いた微小管先端のタイムラプスイメージングを行った。新たに温度・CO2制御ステージシステムを導入することで観察条件を改善し、先行文献で報告されている、微小管の先端が一部のスパインに侵入する様子が観察出来た。現在は、ACF7の発現量を亢進または抑制した際にスパインへ侵入する微小管の動態が変化するかを検証している。 ACF7タンパク質を急速に分解・形成させることで、微小管とアクチンがACF7によって相互結合された際にシナプスで起こる変化を経時的に明らかにすることが可能になる。薬剤依存的にタンパク質分解を誘導する実験系に低発現プロモーターを応用することで効率的なタンパク質分解が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全反射顕微鏡を用いたタイムラプスイメージングが確立された。人為前にタンパク質分解を誘導する実験条件が改善された。非神経細胞を用いて全長のACF7の形成を誘導する実験の予備検討を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究によって、スパインにおける微小管の動態を高い時間解像度でイメージングする系が確立され、またACF7タンパク質の分解・形成を人為的に操作する実験系の構築が進んだ。次年度はこれらの手法を組み合わせ、スパイン増大のどのタイミングでACF7が必要とされるかを解明する。
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Research Products
(3 results)