2014 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝学的アプローチを用いて生後発達における神経回路精緻化メカニズムを解明する
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13J05985
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
鈴木 亜友美 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 体性感覚システム / 遺伝子欠損マウス / Cre-loxP組み換え / トランスジェニックマウス / アデニル酸シクラーゼI / NMDA受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究員は、生後発達初期の未熟な神経回路が、外部からの入力に応じて精緻化され機能的な神経回路となる過程において、皮質下領域における分子機構がどのような働きを担うかを明らかにすることを目的とし、研究を行ってきた。昨年度までの研究から、視床アデニル酸シクラーゼⅠ(AC1)が大脳皮質における神経回路精緻化において重要な働きを担うことが明らかになった。さらに。複数領域において同時にAC1を欠損させることにより、複数の脳領域におけるAC1が相加的に働き、神経回路精緻化を達成していることが示唆された。また、脳幹AC1が視床における神経回路精緻化において非常に重要な役割を担うことが示された。そのため、これまで不明であった全身性AC1欠損マウスの大脳皮質におけるバレル形成不全および視床におけるバレロイド異常がそれぞれ、視床AC1および脳幹AC1の欠損によることが明らかにされた。しかし、脳幹特異的AC1欠損マウスにおいて使用されていた脳幹特異的Cre発現マウスは、脳幹における組換え効率が低く、Cre発現領域についても限定的であることが分かっていた。そのため、本年度は、新規脳幹特異的Cre発現マウスを作成し、より良い脳幹特異的AC1欠損マウスを得ることに注力した。新規脳幹特異的Cre発現マウスは、交配により他の脳幹特異的Cre発現マウスと組み合わせて使用することにより、脳幹PrV核において90%以上の組換え効率を持つようになる。このマウスを用い、脳幹特異的AC1欠損マウスを作製したところ、以前は異常を判別できなかった従来の染色法による実験においても全身性AC1欠損マウスと同様の異常を検出することに成功した。この結果から、脳幹AC1の欠損が十分に支障における神経回路精緻化を阻害することが確認できた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)