2013 Fiscal Year Annual Research Report
完備情報下のゲーム理論的モデルにおける特定化検定法の開発
Project/Area Number |
13J05995
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 有博 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 特定化検定法 / モデル選択法 / モデル平均法 |
Research Abstract |
本年度においては, 研究計画の主たるテーマであるゲーム理論的モデルに対する特定化検定法及びモデル選択法の開発に着手した. まず, 構築した検定統計量及びモデル選択規準について, その漸近理論的性質を検討した. またそれに伴い, これら統計量の有限標本性質をコンピュータによるモンテカルロシミュレーションにより検証した, 現在はこれらの成果を整理する段階にあるが, 先行研究とのパフォーマンスの比較や結果の解釈等におき幾つか問題が発見されたため, 現在検討段階にある. 一方で, 本研究の予備的研究の一つとして平行して進められた, 無限個の説明変数を持っような回帰モデルにおけるモデル選択・平均法の研究 : "Generalized Least Squares Model Averaging"において, より顕著な進展を得た. 該当論文は, 本研究が対象とするモデル選択法に応用可能な汎用性の高いフレームワークを持つため, その研究成果のパフォーマンスが期待されていた. 本年度初期において, 回帰モデルの不均一分散構造にセミパラメトリック推定量が入る場合の情報量規準の漸近的性質について, 新たな理論的成果を得ることに成功し, またその有限標本におけるパフォーマンスが極めて良好であることが確認された. 本成果は該当論文に加えられ, 特別研究員によって平成25年6月, Econometric Society North American Summer Meeting及び, 日本経済学会春季大会にて, それぞれ口頭及びポスター報告された. 該当論文は, これら学会報告で得られたコメントを基に改訂され, 現在, 査読付き海外雑誌へ投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主たる研究テーマについては問題点が幾つか見つかり現在検討段階にあるが, その予備的研究の一つとして同時進行中であった研究においてより顕著な進展が得られた. 計画全体としては, おおむね順調であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は計量経済学の最先端のテーマの一つに取り組むものであり, 既存研究とのパフォーマンスの比較や導出される結果の解釈等の観点において, いくつか未知な障害が考えられる, 現段階では, 同時進行中の予備的研究が順調であるため, このまま平成26年度においても引き続ぎモデル選択・平均法に関する研究を進行させ, そこで得られた成果や手法, アプローチをうまく利用し, 本題であるゲームの統計分析手法の開発を進めていく計画である.
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