2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J05998
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 哲哉 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(PD)
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Keywords | ハンドル理論 / スライスディスク / ラスムッセン不変量 / リボンディスク / 曲面の写像類群 / コンコーダンス群 / アニュラスツイスト / ハンドル図式 |
Research Abstract |
私の研究目的は、以下の2つである。 ・(結び月の)図式を用いたラスムッセン不変量の評価の改良 ・スライス結び目の性質の解明具体的には、 1. Kawamura-Lobbの不等式の新しい証明、 2. ラスムッセン不変量の評価、 3. スライス・リボン予想の反例候補の構成 を実行することである。 一年目の目的は、研究計画に従って、ラスムッセン不等式に関するKawamura-Lobbの不等式を証明する手掛かりを探す、具体的には、Kawamura-Lobbの不等式が、シャーパースライスベネカン不等式より真に強くなる非等質図式に対して、リー複体のサイクルの構造を詳細に調べる、また、それらの情報を手掛かりとして、Kawamura-Lobbの不等式を証明することであった。 一年目は、田神慶士氏(東工大)と共同研究で(1)Kawamura-Lobbの不等式の新しい応用を与えた。(2)絡み目の概正結び目のラスムッセン不変量を決定した。(3)正絡み目の特徴付けを与えた。以上の成果を今、論文にまとめている。 また、丹下基生氏(筑波大学)と共同研究で、スライス・リボン予想の反例をアニュラスツイストを用いて組織的に構成することに成功した。技術的な問題点は、あるホモトピー4球体が標準的な4球体と微分同相であることを示す点であったが、ハンドル理論のテクニックを応用して、この問題を克服した。(論文は投稿中)後者の成果は、三年目に行う計画であったが、予定を繰り上げて実行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果でも述べたように、三年目に予定していた研究計画を前倒しで、一年目に実行したから。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は非常に順調である。 (1)ラスムッセン不変量の不変量は、2年度目以降も続けていく予定である。 (2)スライス・リボン予想も継続する。
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