2014 Fiscal Year Annual Research Report
微小流れ場における３次元温度速度同時計測手法の開発
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13J06008
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
石井 慶子 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 温度計測 / 蛍光 / 燐光 / PIV / LIF |
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| Outline of Annual Research Achievements |
μTASやμ熱交換器など，微細細管流れを持つエネルギー機器が増加している．これらの小型高効率化のためには温度と流れを計測することが重要となる．微小空間内の熱流動計測のうち，温度場計測については未だ確立されていない．本研究は新たな微小領域の温度計測法を開発し，温度速度同時計測を行うことを目的とする．
本研究は，色素を溶解させるLIFに対して，LIF的な感温性を持たせたカプセルを用いることで温度速度計測を行う．今年度前半期では，二色蛍光カプセルを作成した．中空μカプセルのシェル剤に，感温性を持つ蛍光色素と，感温性を持たない蛍光色素を同時にドープさせた．粒子一つ一つの二色比を算出することによって各粒子位置における温度計測を試みた．二色のシグナルを分光して二台のカメラで撮影した．温度一様場における二色蛍光比を粒子ごとに算出したところ，標準偏差が大きい結果になった．この偏差はピンボケによる画像上の粒径変化の影響とは無関係であった．現時点では温度計測に使用できないが，今後カプセルの改善を試みる．
後半期では，単色のμカプセルを用いて，実際に温度勾配のついた微小流れを計測した．光源の顕微鏡への組み込みなど，実験系のセットアップを完了した．T字の金属流路を作成し，ペルチェ素子を用いる事で，温度差を持つ合流流れを作る装置を作成した．T字の左右両端から粒子を分散させた水を流入させ，対向流に温度差を持たせ，合流部の混合の様子をPIV，LIFを用いて観察した．結果，温度勾配によって速度場が変化する場を観測した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高輝度で温度応答性が高く，追従性が良好なマイクロカプセルを作成した．温度差をもった流れの合流の様子が観察可能な実験系のセットアップ，流路の作成が完了した．温度速度同時計測の前段階のテストとして，PIVとLIFによる速度と温度場の計測を行ったところ，強制対流において温度が速度場に影響を与える3次元的な流れ場を観察した．これまで微小領域での温度勾配による流れ場を計測した例は多くないことから，本手法を用いてメカニズムの詳細を観測することで，報告例のない知見を得られる可能性がある．
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| Strategy for Future Research Activity |
昨年度は機能性μカプセルを用いて，実際に温度勾配のついた微小流れを計測した．倒立顕微鏡における高輝度な落射照明が可能な光源の組み込みなど，実験系のセットアップを完了した．T字の金属流路を作成し，流路裏側に配置したペルチェ素子に電圧を印加することで，微小領域においても温度差を持った合流流れを作る装置を作成した．対向流に温度差を持たせ，合流部の混合の様子をPIV，LIFを用いて観察した結果，ペルチェ素子を印加する際には流速が一時的に遅くなった．反対にペルチェ素子の電圧を切る場合は，流速が一時的に早くなる現象がみられた．また，ペルチェ素子を印加した後，流路垂直軸に対して上部断面を観察したところ，温度が高い側の流動が速くなり，かつ支配的になった．反対に，下部の断面を観察した際には，温度が低い側の流動が速くなり，かつ支配的になった．この流速の差はペルチェを印加してからの時間に対して，徐々に減少していく傾向が見られた．温度勾配によって流れの潜り込みが生じており，強制対流において，温度が速度場に影響を与える場を観測したと言える．
今後は本研究が提案する可視化計測手法を用いて，T字型流路内流れの温度，速度分布を定量的に計測する．温度差を持つ対向流の混合特性のメカニズムを明らかにする．スキャニングPIVをおこない，3次元温度速度同時計測を行う．
実験では，ペルチェ素子印加電圧を変化させることで，温度，温度差を変化させる．また流入速度，流路形状や作動流体を変化させる．これによる，T字合流部を有するサブミリスケールチャネル内における一時的な加熱冷却が流体の混合に与える影響を詳細に調べ，そのメカニズムを解明する．可視化手法については，スキャニングPIV-LIFを実装し，これらの流れの三次元温度速度同時計測を行う．
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Research Products
(4 results)
