2014 Fiscal Year Annual Research Report
ワクチンハザードの克服を目指した新規経皮ナノキャリアの設計
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13J06054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
髙橋 秀樹 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 経皮ワクチン / ナノ医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
①非晶質ナノシリカ皮膚曝露による抗体産生の変化 ヤケヒョウダニ抽出物(Dp)、牛血清アルブミン(BSA)、鶏卵白アルブミン(OVA)をそれぞれ粒径30 nmの非晶質ナノシリカ(nSP30)と混合し、粒径分布を測定した。その結果、OVAとnSP30とを混合したサンプルは、nSP30単独と同等の粒径であったのに対し、BSAとnSP30を混合したサンプルでは、平均二次粒子径が2685 nmであり、Dp同様にnSP30とBSAが相互作用していることが明らかとなった。また、nSP30とDpを混合したサンプルの平均二次粒子径は3193.3 nmであり、nSP30とDpが溶液中で凝集を伴う相互作用をしていることが示された。これらのサンプルをNC/Ngaマウスの両耳介の内側、および除毛した上背部に塗布した。その結果、BSAを用いた検討においてのみ、Dpと同様に、IgGの産生が抑制される可能性が示された。以上の結果から、nSP30と相互作用する抗原を皮膚から曝露した際に、抗原特異的IgG産生の減少が生じるのではないかと推察している。
②非晶質ナノシリカの共塗布によるアレルギー応答の変化 一般にアレルギー性疾患の病態において、IgEの誘導が主な発症原因となっていることが知られている。その際、IgGが共存下においては、IgGがIgEを競合的に阻害することでアレルギー応答を抑制することが明らかとなってきている。従って、nSP30の塗布により、抗原特異的IgGの産生が顕著に減少した状況下では、IgE性のアレルギー応答に対する感受性が高まる可能性が考えられた。そこで、アナフィラキシーモデルを用い、nSP30経皮曝露の影響を評価した。その結果、Dp/nSP30塗布群においてのみ顕著なアレルギー応答が観察された。本結果から、nSP30の経皮曝露によりIgGの産生が抑制された状態では、通常ならばアレルギーを誘導しないほどの少量の抗原曝露によっても、アレルギーが誘導されるようになるのではないかと考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)