2014 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類認知記憶システムにおける前頭・側頭葉間連絡の光遺伝学的標識及び機能制御
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13J06060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松山 真 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レンチウイルスベクター / 鶏肉腫白血病ウイルス / 視床皮質路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では鶏白血病ウイルスの受容体-リガンド特異性を利用した投射ニューロン遺伝子導入法の開発を行ってきた。前年度までに鶏肉腫白血病ウイルス(ASLV)と鶏及び七面鳥に発現している感染受容体から新たな遺伝子導入法を開発し、ラット大脳において異なる遺伝子を視床-皮質路の異なる複数経路に特異的に導入できることを明らかにした。本年度は開発した新規遺伝子導入法を、当初の視床-皮質路における実証実験に加え、皮質-皮質間においてもその有効性を示す実証実験を行った。具体的には、ラット運動野の神経細胞のうち、反対半球の運動野へと投射する神経細胞にだけ特定の遺伝子を導入するために、鶏肉腫白血病ウイルス(ASLV)受容体3種類を片側に、もう片側にASLVウイルスエンベロープでコーティングされたレンチウイルスベクターカクテルを注射した。この実験で、開発した遺伝子導入法が皮質同士の投射関係においても、特異性の高い遺伝子導入が行えることを明らかにし、大脳前頭葉・側頭葉間連絡の光遺伝学的標識及び機能制御を、複数の神経経路に対して行うことが可能になった。この成果は第37回日本神経科学大会(2014年9月11日、横浜)、および北米神経科学学会2014(2014年11月18日、ワシントンDC)で発表され、Proceedings of the National Academy of Sciences USA誌に4月17日付けで掲載確定した。 またラット大脳における神経回路の可塑的変化に関する研究においては、アクチン脱重合因子であるコフィリン1遺伝子の局所発現量を制御することで、コフィリン1遺伝子が特定の神経結合の形態変化を介して神経可塑性に関わっていることを明らかにした。この成果は、理化学研究所の坪田匡史博士研究員(現在)を筆頭著者として2015年1月27日付けでPLOS Biologyに掲載された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)