2013 Fiscal Year Annual Research Report
非線形拡散方程式に現れる非自己相似的な特異性構造の研究
Project/Area Number |
13J06078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関 行宏 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教
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Keywords | 半線形熱方程式 / 調和写像流方程式 / 爆発 / Type II |
Research Abstract |
今年度は研究計画に記載した ①指数型非線形項を伴う半線形熱方程式 ②球面に値をとる調和写像流方程式 における非自己相似的な爆発構造についての研究を行った。前者については非線形項が未知関数のべき乗である場合は指数がソボレフ劣臨界にあるとき、解の爆発率が後方自己相似解の爆発率と常に一致し(Type Iの爆発)、空間次元が11以上で非線形項の指数が十分大きいときにそれより速い爆発(Type IIの爆発)が起こり得ることが知られている。どちらの研究も非線形項が比較的簡単な形であることがその解析に利用されている。一方でもう一つの典型的な例として指数関数型の方程式が多くの研究者によって研究されているが、その場合はType IIの爆発解の存在は知られていなかった。当初の目的はべき型で知られているType II爆発解の構成を精密化し、指数関数型とべき型の両方を含む方程式に一般化することであったが、その過程で既存の研究ではべき型に限定しても未解明であったType IIの中では最も遅い爆発率と予想される特別な解を発見した。これは現段階では形式的な解析を含んでいるが、研究計画の段階では予想していなかった結果である。この発見により、すべての球対称爆発解の爆発率を決定できる可能性が高まった。 並行して②球面に値をとる調和写像流方程式に対するType II爆発解の構成を行った。上記の研究法が応用可能であることは計画時に予想されていたことであるが、上述のような精密化された手法を利用できたので、予想を大きく上回る結果を得ることができた。調和写像流に対する爆発構造の研究は比較的進んでいないので、本研究はこの分野に大きなインパクトを与えることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(1 results)