2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J06109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梶保 祐子 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポドサイト / スクリーニング / 浸潤 / Rabファミリー |
Outline of Annual Research Achievements |
ポドサイトと腫瘍細胞の運動能の制御における分子機構には共通性が指摘され、腫瘍細胞の運動能の亢進は浸潤に至る。また、近年腫瘍細胞内の小胞輸送が細胞骨格と協調して浸潤に深く関わることが報告されている。そこで腫瘍細胞の浸潤に必須な低分子量Gタンパク質Rabファミリーの同定を行った。昨年度までにヒト乳腺癌由来の細胞を用いスクリーニングを実施しデータベースを用いた解析を加え、浸潤制御に関わる因子としてRabXを同定し、更にRabXの過剰発現とレスキューによる細胞外基質の分解の変化を解析した。3年目である本年は、3次元の浸潤における影響の評価を行い、RabXが浸潤に関与する分子機構の解析を開始した。 腫瘍細胞を細胞外基質内で培養すると、3次元における周囲への浸潤の様子が観察できる。細胞外基質を混合して調製した2種類の3次元培養系において、薬剤誘導依存的にRabXの発現を抑制する2種類の乳腺癌細胞を事前に作製し培養すると、薬剤誘導依存的に周囲への浸潤が抑制された。また、Rabファミリーはエフェクター蛋白が結合し小胞輸送を促進することから、RabXが浸潤に関与する機序を検討するために、RabXのエフェクターの発現低下時の細胞外基質の分解能を測定した。その結果RabXのエフェクター因子AおよびBの発現低下により、乳腺癌細胞のゼラチンの分解能は低下した。RabXの発現低下は因子Aの発現低下時と同様に細胞内小器官の形態を変化させ、過剰発現により回復した。 以上より、RabXが乳腺癌細胞の3次元への浸潤を制御し、RabXのエフェクターも乳腺癌細胞の細胞外基質の分解を制御することが分かった。RabXは腎臓糸球体での発現が認められ、RabXの結合蛋白の腎臓特異的ノックアウトマウスは蛋白尿を来す。今後腎臓におけるRabXの機能の解析が望まれる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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