2013 Fiscal Year Annual Research Report
能動的ターゲッティングリガンドとしての特殊ペプチドの探索とナノ治療への展開
Project/Area Number |
13J06119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉冨 徹 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ペプチド創薬 / 細胞内取り込み / 膜透過ペプチド / 薬物送達システム / チャンバーアレイ / 薬物トランスポーター / 環状特殊ペプチド / 脂質二重膜 |
Research Abstract |
本研究では、標的組織に特異的に集積するペプチドを探索することを目的としており、当初の研究実施計画では、酸化ストレス病巣部接着分子結合性ペプチドの探索を行う予定であった。しかしながら、配属後、ペプチド創薬の膜透過性に関する問題点を知り、研究計画の小修正を行った。 近年、抗体医薬に代わる新しい創薬として、ベプチドが注目を集めている。しかしながら、ペプチドの多くは、膜透過性が低いため、細胞内で機能させることができないことが問題となっている。これは、ペプチド創薬の重要な課題である。そこで、本年度はペプチドの膜透過性についての下記2点の検討を行った。 1. 膜透過性ペプチドの探索のためのデバイスの開発 2. ペプチドの細胞内デリバリー技術の開発 1. の研究に関しては、まずチャンバーアレイ上へのリン脂質二重膜の構築を行った。この膜チャンバーアレイを用いて、薬物トランスポーターであるPfMATEを再構成することにも成功している。今後は、この技術を膜透過性ペプチドの探索のために展開する予定である。 2. の研究に関しては、pH感受性アミノ酸含有ポリマーと生理活性ペプチドの複合体を用いて、生理活性ペプチドの膜透過性を向上させることを目的としている。ヒスチジンが、酸性環境下においてプロトン化し、細胞膜と相互作用することに着目した。まず始めにオリゴヒスチジンを末端に有するポリエチレングリコールの合成を行った。またジスルフィド結合によって、ポリマーとペプチドの複合体を作製することにも成功している。今後は、この複合体を用いて、細胞内へのペプチドの導入効率に関して評価していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ペプチド創薬の問題点である膜透過性の問題を解決するため、実験計画の修正を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に引き続き、ペプチドの膜透過性に関する課題の解決を行う。それと平行して、標的組織に特異的に集積するペプチドの探索に関する研究を進めていく。
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Research Products
(37 results)