2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J06150
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
菅野 智博 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 満洲 / 農村社会 / 雇農 / 農家経営 / 中国東北地方 / 農業労働 / 土地改革 / 農村実態調査報告書 |
Research Abstract |
平成25年度の研究成果を主に史料収集、口述調査、業績の3点に分け、以下ではそれぞれの項目について整理する。 ◆史料収集 海外で行った史料収集は檔案史料と旧新聞史料、その他の文献史料の3種類に分類される。檔案史料は当時各地方政府が省政府に報告した土地改革実施状況及び問題点が収容されており、またいくつかの村落では具体的な土地分配状況も紹介されている。旧新聞史料には当時の農村・農業状況、共産党の政策・指示、各地の土地改革進行状況・問題についてきめ細やかに掲載されており、より多面的な視点から1945年以降の村落社会の状況を理解することができる。それ以外に、中国東北地方に散在している満洲国期・1945年以降の地方文献の収集を実施した。日本国内においては、九州大学や長崎大学に所蔵されている満洲関係史料の収集を実施した。 ◆口述調査 中国で多くの農民に1945年以降の農村の状況にっいて口述調査を行い、史料に残っていない貴重な情報を得ることもできた。また、日本国内でも口述調査を実施し、かつての満洲体験者にインタビューを行った。 ◆業績 平成25年度は部会(修論報告会)で1回、全国大会で2回報告した。指摘された問題点を修正し、平成26年度内に査読付き全国級雑誌に投稿する予定である。修論報告会で報告した修士論文の一部を修正し、既に台湾の雑誌(査読付き)『曁南史学』から掲載予定を頂いている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は2年目以降の本調査を実施するための予備調査であったが、予定通りに予備調査を実施することができ、新たな史料や発見もあったため、研究状況はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度に国内外で実施した史料調査・口述調査の予備調査をもとに本格的な調査を実施する。また、これまで主に日本や中国にて史料収集を実施してきたが、アメリカの国立国会図書館に所蔵されている満鉄などの満洲関係の史料の調査状況を調査する必要がある。それと同時に昨年度蒐集した史料を分析し、雑誌への投稿準備を進めていきたい。
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Research Products
(7 results)