2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J06150
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
菅野 智博 一橋大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 満洲 / 農村経済 / 農家経営 / 農村社会 / 農業労働力 / 雇農 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は主に①史料収集、②口述調査、③学会報告及び論文執筆を中心に研究を進めてきた。以下ではそれぞれの内容について述べる。 ①史料収集では、中国側に所蔵されている1945年以降中国東北各地で発行されていた地方新聞や各種地方文献(地方志や文史資料)を収集するとともに、日本国内に散在している満洲国期の農村調査史料の収集にも力を入れた。 ②口述調査では、現地の農民からお話を伺うと同時に、日本国内でも積極的に口述調査を実施し、かつての満洲体験者にインタビューや関連史資料の収集を行った。満洲を多角的な視点から理解するためには、満洲引揚者や中国残留邦人へのインタビューは重要な手がかりになる。特に1950~1970年代に中国東北地方で生活していた中国残留邦人の経験は、当該期の東北農村社会を知る上で極めて重要である。 ③学会報告及び論文執筆においては、広島大学にて開催された中国四国歴史学地理学協会大会・東洋史部会、及び台湾中央研究院近代史研究所で報告を行った。それぞれ頂いた有意義な指摘を踏まえ、現在論文の執筆を行っている。また、平成25年度に執筆した論文「従『満洲国』時期的農村調査探討雇工与農村社会的関係」が台湾の曁南大学が刊行している『曁南史学』(第17期、2014年)に掲載された。今後も引き続き積極的に国内外の学会にて成果の発信を行っていきたい。 平成27年度は最終年度となるため、これまで収集した史料の分析を進め、査読誌への投稿準備を進める。また、それと同時に引き続き史料・口述調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、近現代中国東北農村社会の構造、とりわけ農業労働力と農家経営の関係とその変容について明らかにすることである。そのため、これまでは主に①史料収集、②口述調査、③研究成果の発信を中心に行ってきた。 ①史料収集では、日本国内及び中国現地にて日本語の調査報告書、公文書、地方新聞、地方志、文史資料、族譜、内部資料などを収集することができた。 ②口述調査では、中国現地農民や日本国内在住の満洲経験者から満洲国期や1945年以降の生活について聞き取りを行ってきた。 ③史料収集及び口述調査に合わせて国内外の学会にて積極的に研究成果を発信し、その一部を学術雑誌に掲載することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は最終年度となるため、引き続き史料収集に力を注いでいきたいと考えている。これまで収集した地方新聞や地方文献は当時の村落社会の状況を理解する上で重要な役割を果たせると確信しているので、中国各地に赴きその収集にあたりたい。 また、継続して現地の農民及び日本国内の満洲経験者へのインタビューを行い、より多角的な視点から満洲を理解することを努める。 そして、これまで収集した史料の分析も同時に進め、査読誌への投稿を積極的に行っていきたい。
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Research Products
(8 results)